あの日


ピチャ。
水溜まりを蹴りあげながら歩く。ただの炭鉱だと聞いてきたのに、貰った情報と違う事なんて多いけど、これはダメだ、アイツだ。

「おにごっこしよ。」

ふ、子供じみたその言葉に今まで殺気立っていた気が落ち着く。
いいや、どうせ死ぬなら道ずれにしてやろう。

「わたしがおに。つかまえたらおわり。」
「……いいよ、そのかわり反撃ありね。」



「はー、もう何だよ。」

人里離れた山奥、子捨て山と呼ばれたそこは負の温床で目をつけられていた。最近、