Last World - 3 (1/2)




「五番隊第三席、神林麗は、大罪人・藍染惣右助の計画に利用されたとして、全ての罪状を不問とする。」

翌日に元柳斎から告げられた言葉に、私は絶句した。

藍 染 に 利 用 さ れ た ?


違う、利用したのは私の方だ。
死ぬ理由を作るために、藍染に手を貸したんだ。

「殺してください、」

私は当たり前のように、死を求めた。
しかし、返って来た返答は「否」。

「隊長も副隊長も欠け、その上副官補佐まで抜けてしまえば五番隊は機能せぬ。」

私が無罪となったのは、藍染の計画を一部しか知らされていなかったからだった。
ならば、全てを知っていれば死は叶ったのか?
―――いいや、それでも尸魂界に残ったというだけで「藍染の裏切りから手を引いた」等と適当な理由をつけて私を生かしたかも知れない。
そういう甘い組織だ、護廷十三隊というのは。

だから嫌いだ、こんな世界。
消えてしまえ、消えてしまえ、消えてしまえ。

牢から解放された私は、まるで何事もなかったかのように自室へ返された。
半強制的に、また死神としての仕事を与えられたということだ。

翌日仕方無しに隊舎へ顔を出せば、それまで慌ただしかった隊員たちが一斉に動きを止めて、私を振り返る。
しんと張りつめた空気、逸らされる視線。

私の居場所は、もうここにはない。

気付けば私は、自然と隊舎を飛び出していた。





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