小会話➀
「いらっしゃいませヨ〜」
「あれ、神楽ちゃん?ここでバイトしてるの?」
「あ!ナマエ!臨時で一生懸命やってるっす!」
「え、キャラ変?ところで局長知らない?」
「キョクチョウってゴリラのことアルか?」
「えーと長谷川さんって言ったらわかるかな。ほら、公園によくいるサングラスかけたおじさん」
「マダオアルな!代わりに働いてやってるネ」
「局長の代わり?」
元上司がコンビニに勤め始めたと聞き、様子を見に来たのだが当本人の代わりに顔の見知った少女が出迎えてくれた。
訳を聞いても経緯がわからず頭にハテナを浮かべているとまた別の見知った顔に声をかけられた。
「あれ、ナマエさんじゃないですか」
「新八くん!局長いないかな?仕事決まったってきいて、様子見に来たんだけど」
「ああ…長谷川さんなら野暮用でシフト入れないからって僕らが代わりに今日だけ働いてるんですよ」
「そうだったか…タイミング悪かったな」
折角お祝いに来たのに、悉くタイミングを外してしまったらしい。
それにしても前辞職の原因でもある人たちに懲りずによく依頼するなぁ。
「私はナマエに会えて嬉しいアル!」
「か、神楽ちゃん…!ありがとう、私も神楽ちゃんに会えて嬉しい」
神楽ちゃんは偶にスパダリかと勘違いする台詞を言ってのけるので、時々この子のことが心配にならないこともない。
将来人たらしに成長してしまうのではなかろうか。危ない、危ないぞ。
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「はい、レジお願いします」
「任せるヨロシ!」
ピッと軽快な音が鳴るのがたのしいのだろう、何か買わないのかと可愛い店員さんに催促されてしまったら選択肢はひとつしかない。買う、それだけだ。
「同じジュース3本も飲むアルか?」
「あ、これは万事屋さんたちに差し入れ。休憩時間にでも飲んで」
「きゃっほう!流石ナマエアル!」
「すみません、ありがとうございます」
「大変だと思うけど、頑張って。じゃあ、私はこれで」
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「銀ちゃ〜ん!ジュースもらったアル!」
「あ?誰だよそんな出来た人間こんな所に住んでねぇだろ」
「ナマエさんですよ。長谷川さんの様子見にきたとか」
「ああ…あいつねぇ。元上司の様子見に来るなんて酔狂な奴だな」
「今度会った時にちゃんとお礼言ってくださいよ、銀さん」
「へいへい」
「ちょっと銀さん!どこ行くんですか」
「裏で監視カメラの確認の仕事に決まってンだろ」
「ジュースの補充もしてくださいよ!」
「新八ィ、銀ちゃんどこいったアルか」
「奥でカメラの監視だって。あの人、ナマエさん絡みになるとどうも機嫌悪くなるなぁ」
「“シシュンキ”ってやつネ。これだから男は」
「いや神楽ちゃん、銀さん流石にもう思春期は終わってるでしょ」
「男はいつまで経っても子どもアル」
「神楽ちゃんもだからね」