関係の進展−4
R-15描写
それにしても、と朝祇はこの体勢を改めて認識する。押し倒された状態で、廉造の膝は朝祇の足の間に位置している。場所はベッドの上、完全にそういうポジションだ。
実は、朝祇と廉造はまだ致したことがない。それぞれ女の子とは経験済みなのだが、付き合ってから行為に及んだことはなかった。
なんとなく、廉造が上になるんだろうな、というのは暗黙の了解で、その上で朝祇の決心がつかないのもあったし、場所や時間がなかったこともあった。しかし、寮の自室は場所として申し分ないし、時間だってある。忙しくて考えたこともなかったが、条件は揃っていた。
「廉造、そろそろどいてくんね…」
「……、朝祇」
そして、廉造も同じことを考えていたようだ。
むくりと体を起こした廉造の瞳には、欲がちらついているのがありありと分かった。名前を呼ぶ声も湿っている。
「…触って、ええ?」
「……すんの?」
「今日はせえへんよ。まだ怖いやろ?」
「…ごめん」
確認を取ってくれる廉造に、まずは聞いてみる。正直、心の準備ができていない。いや、心だけではないが。
謝ると、廉造は苦笑して朝祇の頭を安心させるように優しく撫でた。
「謝ることやないよ。今日は、簡単に気持ち良うなってくれればええで」
そう言って、廉造は顔を寄せてくる。自然と朝祇も目を閉じて、唇を重ね合わせた。
最初は啄むような触れるだけのキス、そこから、廉造はぬるりと舌を入れてくる。ゆっくりと口内に侵入する舌を迎え入れ、自分のものと絡める。時おり吸ったり軽く噛んだりを繰り返してキスに酔ううちに、廉造はジャージの下に手を入れて胸へと伸ばしてくる。
「ん、…っ、」
「…ここ、感じるん?」
唇を離し、廉造は胸を撫でながら訊ねてくる。他人に触られたことのない胸の突起を捏ねられ、感じたことのない感覚がぞわぞわと背筋を這い上がった。素直に答えるのが恥ずかしくて黙ってしまうと、廉造はさらにそこを責め立てた。
「ぅ、ぁあっ、」
「ん〜?なぁどうなん?」
楽しそうな、愉悦を含んだ聞き方にさらに恥ずかしさが増し、やめてくれとばかりに廉造を見上げた。目があった瞬間、廉造は息を飲んで一瞬動きを止める。
「っあ〜…その顔かいらしすぎや、反則やで…」
「へ……っん!!」
どういうことか分からない内に、廉造はいきなりジャージをたくしあげ、朝祇の上体を晒し、胸に直接吸い付いた。同時に股間を膝で押され、反応する下半身を刺激された。
「ひぁっ、あっ、ちょ、それっ…!」
「かわええなぁ…」
ぬるぬると胸を舐め回され、圧迫される下半身からの刺激と合わさって強い快感が届いた。なんでこんなに感じるのかも分からない。
だが、このままされる一方なのも癪だった。
朝祇は手を廉造の下半身へと伸ばし、スウェット越しに膨らむそこを撫でた。途端に廉造はぴくりと反応し、胸を弄っていたところから顔を離してこちらに向けた。
「っ、朝祇…」
「女じゃないんだ、俺だって、触らせろ」
「…おん、せやね、じゃあ一緒に」
すっかり余裕をなくした笑顔で、廉造は朝祇を起き上がらせた。珍しい表情に、自分でそうなってくれていることが嬉しく感じる。
2人で下をすべて脱ぎ、廉造は胡座をかいて、その上に向かい合うようにして朝祇を座らせる。
「兜合わせってやつ?」
「対面座位みたいやろ」
どちらにせよ体位の話だ。廉造は再び朝祇の胸を口に含み、舌で転がしたり、吸ったり、軽く歯を立てたりと弄り始める。思わず仰け反ると、廉造は逃がさないようにか、もしくは倒れないようにか、朝祇の背中を筋肉の筋が浮かぶ腕で力強く支えた。
「んっ!な、んで、そこぉ…っ!ばっかり、」
「朝祇にこうやって触れるの俺だけなんやし、どうせなら俺好みに開発したろ思て」
「エロ親父か、んぁぁっ、!!」
「そんなん言うやったらこうやで」
親父みたいなことを言う廉造に思わずそう言えば、少し強めに噛まれた。直後に優しく舌で舐められ、その緩急にビクビクと震えてしまった。
またされてばかりだ、と朝祇は先程からふれ合っている互いの屹立をまとめて握る。2人とも先走りが光り、まとめて上下に擦ればいやらしい水音が響いた。
「ん…れ、んぞぉ…っ!」
「朝祇…っ!」
思わずねだるような声を出すと、廉造は察して唇を重ねてくれた。互いの舌を絡めて激しくキスをする。廉造も朝祇の手を包み込むようにして2人のものを重ねて扱き、裏筋やカリの裏側が擦れる感覚に射精感が強まった。
「廉造、も…っ!」
「俺もや…っ、ほな、一緒にイこか」
一気にスパートをかけ、扱くスピードを速める。そして、互いにほぼ同じタイミングで果てた。
「〜〜〜!!っはぁ、はぁ、」
「っはぁぁ…あー、朝祇大丈夫?」
2人分の白濁は朝祇の腹に受け止められ、だらりと垂れ始める。慌てて廉造とティッシュで拭き取り、一気に脱力した。朝祇は向かい合った体勢のまま力を入れていた腹筋から力を抜き、廉造の肩に顎を乗せて頭を預けた。廉造は朝祇の後頭部に手を回し、もう片方の手を背中に回して抱き締めた。
「…誕生日、楽しみにしとるね」
「ハードル上げんなよ。奥村って教えるの下手そうだし」
「あー、確かに」
廉造の余裕はちゃんと戻ってきたようだ。自信はないけれど、俄然ちゃんとしたものを作ってやろうという気になった。
一歩だけ進んだ2人の関係の象徴、というほどでもないけれど、きっかけとなったのだから、しっかり成功させたいと思った。