そんな夜
−1
ノルウェー×夢主
R15
様子が変だな、とは気付いていた。
たまたま街で会って、流れで食事をして。
その間中、やけに上機嫌だった。
ちゃんとアルレシアの第六感は最高レベルの警報を鳴らしていた。
だが何百年も昔から分かっていたことだが、自分はノルウェーの笑顔に弱い。
今日も格好よくこちらに笑みを向けるものだから、言われたことに思わず頷いてしまう。
だから、最初それを聞いたときも頷いてしまった。
直後、失態に気付く。
「や、ごめん…もっかい言ってくんね…?」
「ホテル行くべ」
「え…なぜ」
辺りは夜の帳が降り、街には明かりが点る。
ムードは確かにある、かもしれない。
「落ち着け、おかしい、落ち着け」
「…嫌け?」
眉を下げてしゅん、とするノルウェーに息が詰まる。
ふと、もしかしたら、もしかしたら、ホテルに行くという行為にやましい意味は含まれないかもしれないと思った。
「ちなみにノルウェー、ホテルいってどうすんの?」
「?ヤることなんてセッ「あー分かった言わなくていい」
なんてことだ。
アルレシアは貞操の危機をひしひしと感じている。
「…俺とは嫌け?」
「いや、ノルウェーとがっていうか男…」
「大丈夫だ…なんもかも分からねくれえ悦くしてやるべ」
怪しげに微笑みながら、アルレシアを壁に追い詰める。
ここは往来の真ん中だ、道行く人が不思議そうにこちらを見ている。
「ちょ、ノルウェー、」
「…アルレ、」
壁まで追い詰められ、ノルウェーの高い位置にある顔が近付く。
女性の喜声が聞こえた。
「近い近い人見てる…ってお前、酔ってるだろ!」
途端に酒の匂いが鼻孔をつき、アルレシアはすべてを察した。
「ふざけんな酔っ払い、」
ノルウェーの胸を押しやるが、ノルウェーはアルレシアの腕を掴む。
「ま、ハナからこうすっけんど」
そしてそのまま強引に歩き出した。
「ちょ、おい!ばかふざけんな!」
ノルウェーは聞かずにアルレシアを拉致する。
力がやたら強い。
第六感は振り切れようとしていた。