そんな夜
−2
結局、馬鹿力を発動したノルウェーによってホテル(普通の)に連れ込まれた。
チェックインのときに逃げ出せるかと思ったが、さすがにあからさまに抵抗するのは国として顔を知られている以上、お互い良くない。
騒ぎになるのは本望ではない。
そうして部屋に入ったわけだが。
「っ、性急すぎだろ」
入るなりベッドに押し倒された。
突然街中で迫り強引に連れ込んだ上に部屋に入るなり押し倒す。
「欲求不満かっての…」
覆い被さるノルウェーは首を傾げた。
「アルレシアにはいつも欲求不満だべ」
そう言って首筋に手を這わす。
冷たい指に撫でられ、肩が跳ねた。
「何言って…ふぅっ、!」
遮るように、口を重ねられる。
直前まで話していたため容易に舌が入って来る。
ノルウェーの舌がアルレシアの舌を撫で、歯列をなぞり、上あごを押す。
「ふっ、ん、ぅあ、」
(なんでこんな上手いんだこいつ)
ぼんやりし始めた頭でそんなことを考える。
ようやくノルウェーが口を離すと、銀糸があとをひく。
「嫌さ言ったわりに、乗り気だな」
アルレシアの顔に赤みがさした。
「ふざけ、」
「素直じゃねえのは、よぐね」
ノルウェーはいつもの格好いい笑みを浮かべる。
「けんども…どんなアルレも、俺ん好みだ」
「…っ!」
心臓がうるさい。
もう全身が暑くて、素直な心が枷を失って浮上する。
(最初から、嫌じゃなかったくせに)
(理由つけて渋々みたいな感じを装って)
(全部見抜かれてる)
なんかもう、いいか。
なんだかんだ流されやすいのは知っている。
でも、流されてそんな悪いことばかりじゃない。
何より、
「ノルウェーなら…いいや」
その気にさせたからには、責任を取ってもらわなくては。
「来いよ…何も分からなくなるくらいに、させてくれんだろ…?」
スイッチの入ったアルレシアの色気は、それなりに場数を踏んだノルウェーにも絶大な威力を発揮した。
ごくり、と喉を鳴らす。
「…あぁ、どろどろにな」