嫉妬?
−1
アルレシアはツカツカと音を立てながら石畳の道を歩く。
ロングコートのポケットに手を突っ込み、裾を翻しながら颯爽と行く様に誰もが振り返る。
女性たちの、一部男性の目を集めながら向かう先は、デンマークの住む屋敷だ。
屋敷に着くと、勝手知ったるように中に入り、デンマークがいるだろう執務室に進む。
そして、扉を開け放った。
「おいデンマーク」
「んあ?おっ、アルレシアじゃねえか!どうしたんだっぺえ!」
表情を緩めたデンマークはアルレシアに歩み寄る。
その服を見て、アルレシアの目が細まった。
「…おい」
底冷えする声で呼び掛けると、さすがにデンマークも動きを止める。
「えっ、俺またなんかしたか…?」
「…」
アルレシアは無言でデンマークの前に立つ。
すると、おもむろに目の前、デンマークのシャツの胸倉を掴んだ。
「…この鈍感ヘタレ野郎っ!」
そう声を上げた直後、足を払い胸倉を押してデンマークの体勢を崩す。
「おわっ、」
さすがというべきか、デンマークの後ろにはソファーがあり、アルレシアはぴったりそこに押し倒した。
ソファーで仰向けになったデンマークに馬乗りになるアルレシア。
デンマークはぱちぱちと目を瞬かせた。
「な、なじょした…?」
アルレシアは掴んだままの胸倉に力を込める。
「デンマーク…」
「は、はい、」
「…お前…胸元開け過ぎなんだよ!」
珍しく、デンマークとアルレシアの間に沈黙が落ちた。