嫉妬?
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「ど、どういうことだっぺえ…」
「お前の私服、ボタン開けすぎだって話。三つは開いてるだろ。女が色目使ってんだろうが、それ見て」
デンマークはゆっくり言葉を理解した。
私服のボタンが三つ以上開いているのは確かだ。
緩い方が好きという理由でしかないが。
「…、嫉妬け?」
「ちげえよ…いや、それも少しあるけど、お前が俺しか眼中にねえのは分かってる」
事実、デンマークは色目を使われていることに気付いていない。
「俺は、色気振り撒いときながら俺を襲おうとしないお前に苛立ってんだよヘタレ」
「えっ」
アルレシアの苛立ち、それはデンマークがだらしない私服で色気を周囲に漏らすのに、アルレシアに迫らないことだった。
長い付き合いだが、何回かしか至ったことはない。
―――デンマークの色気にアルレシアも当てられるから、自分だけそういう気になっているのが悔しいのだ。
そんな状態に痺れを切らしたアルレシアは、こうして乗り込んだ。
「アルレシアにがっついたら殴られそうだしよ、傷付けたくねえけんど、俺自分抑えらんねえ気がすんだっぺ…」
「…ナメんな」
アルレシアは額をデンマークの額にくっつけ、至近距離で見つめ合った。
「お前にヤられるくらいでどうにかなるわけねえだろ…それともなんだ、元ヴァキングは名ばかりか?」
挑発して笑うアルレシアに、デンマークの目がギラりと輝いた。
それは、昔に見た強者の目。
かと思うと、一瞬で体勢を変えられ、マウントをデンマークがとった。
「今のうちに撤回してくんねえど、手加減しねえぞ」
「そんなもんいるか」
そう言ったアルレシアの口を、デンマークは自分のもので塞いだ。