デレるとは
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溺愛オランダ×構ってちゃん夢主
ゲロ甘
アルレシアのことを表現するとき、ある者は天使、ある者は年齢詐欺と言う。
いくつかのうち、オランダの昔からの知り合い、日本の表現は"クーデレ"だ。
日本にはkanjiで表されることのない不思議な言葉が多々存在し、これもそのひとつらしい。
意味を聞くと、「普段クールで隙がないが、時々、理想は2割程度のデレがある人物、またはその様子」とのことだ。
デレというのは様々な観点から捉えられる"可愛いげ"に相当するもので、イギリスはツンデレという部類に属すると言っていた。
イギリスに可愛いげなど見いだせないので、日本という風土によるフィルターを通さないと分からないのだろう。
分からなくて大変結構である。
眉毛は放っておき、アルレシアだ。
いわゆるクーデレらしいアルレシアは、その表現に当て嵌めて考えると、確かにそう見える。
オランダにすればいつでも可愛いげにあふれるのだが、アルレシアの普段の言動は大人しく、冷静で男前だ。
なるほど確かにクールである。
そして肝心のデレだが、これは日本の理想とする2割を越している気がする。
今も、アルレシアはオランダの家に遊びに来ている。
執務室で仕事をするオランダと、応接用のテーブルセットで持参の菓子を食べるアルレシア、二人しか部屋にいない。
小一時間ほどこの状態で、アルレシアはだんだんこちらをチラチラと見るようになった。
これは来る、と思った矢先、アルレシアは立ち上がった。
「オランダ、まだ仕事あんの」
「今大変なんじゃ。EUとして踏ん張りどころやざ」
「…EUね」
EUに入っていないアルレシアにはその分の仕事はない。
「……セルビアとトルコの審議?」
「その準備もあんな。経済状況と関税障壁を把握せんといかん」
「ふーん……EUね…」
「なんや」
「別に。紅茶かなんか入れようか」
「チューリップティ「却下で」…なんで自分ん家で却下されんねや」
「俺が飲みたくねえ。間とってコーヒーでいいな」
「なんで聞いたんや…」
オランダはため息をついて書類に目を戻す。
アルレシアはそれを一瞥してから、室内の給湯器とシンクでコーヒーを入れる。