デートしよう
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ブルガリア×夢主
デートの話




冬も盛りな欧州、中央ヨーロッパのある街で、アルレシアとブルガリアはデートをしている。


なぜそんな場所なのかと言えば、お互いの家から等距離だからである。

ちなみにブルガリアの提案だ。

そこそこ大きい街を選んだが、観光に来るアジア人でもない、見慣れた景色でしかなかった。

そんな場所でデートなんてものをするには、少々スパイスが足りない。

アルレシアは少し前を歩くブルガリアの背中を見つめながら、それを考えていた。

二人は会話もなく、事前に予定も決めていない。

何となく歩くブルガリアに着いていくだけ。



―――ブルガリアのことは好きだ。

だが、これはないだろ、と思う。

言ってやりたいが、こう見えてなかなかブルガリアは難しいやつだ。

一言「つまんない」と言おうものなら、棒の餌食になりかねない。

防げる(国力的な意味で)ため問題はないが。





さて、歩くうちに辺りはいよいよただの住宅街になってきた。

観光客のための小綺麗な町並みもなく、戦後建て直されたらしい建物が計画的に並ぶ。

せめて中世の迷路のような怪しげな町並みならいいが、これはそこらじゅうにある景色だ。

「なぁブルガリア、どこ行くんだよ」

たまり兼ねて聞いてみると、「んー」というよく分からない返事。

こちらを見もしない。

「はっきりしろよ」

服の裾を掴んで引き止める。

「歩いてりゃいいとこ着くだろ」

「それまでずっと歩く気かよ」

「おう」

「この寒さで?」

「そんな寒くねえだろ」

ブルガリアは会話は終わったというように歩き出す。

(こいつ…)

仮にも恋人に何たる仕打ち。

(こうなりゃ俺が無理矢理恋人らしくしてやる)

しばしば方向がおかしいアルレシアである。


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