唯一と一番−1
ルルハワネタでシリアス
ロビンと死のループを繰り返す主
ぐだ子カルデア設定
月からやってきたAIであるハイサーヴァント、BBのはた迷惑な行為によって成立した特異点ルルハワ。
まったく意味が分からないと頭を抱えた唯斗をよそに、早々に順応した藤丸たちは初回と同じ高級ホテルに入り、同人誌で売り上げ1位を達成するまで終わらない夏のバカンスという名の地獄が始まった。
絵心のない唯斗はトーンやら枠の調整やらといった雑用担当であり、ジャンヌ・オルタの主導で藤丸、マシュ、牛若丸、さらにアシスタントとして刑部姫も加わり、ロビンが進捗管理を行うことになっている。
早速作業に取り掛かり、高級ホテルのスイートルームの広々としたシッティングスペースにて、それぞれが黙々と作業を開始した。
液タブなるタブレット画面に向かって四苦八苦していると、突然、唯斗の頬に冷たい缶が当てられる。
「うわ、」
「姿勢悪ぃぞ、マスター」
見上げると、ニヤリとしたロビンがジュースの缶を手渡してくれた。集中するあまり猫背すぎたかもしれない。背中に痛みが走る前にロビンが忠告してくれたようだ。
唯斗は基本的にサーヴァントを1騎に絞っている。というか、カルデアではそれが基本運用だった。藤丸が英霊たちを多数現界させる楔としての役割を果たす一方で、唯斗は小回りの効く役割として、グランドオーダーを駆け抜けた。
時間神殿攻略によって人理焼却を破却したものの、今はレムナントオーダーという名目で、魔神柱の残党狩りを行っているところだ。
そんな唯斗のたった一人の契約サーヴァントがロビンフッドである。
イングランドの伝承であり、特定の誰かではなく、各時代においてイングランドの人々が祈りを託した名もなき英雄の集合体として座には登録されている。そのため、召喚者によってロビンフッドという英霊は異なる姿を見せるそうだ。
縁ができたため、カルデアとして出会ってきたロビンは皆同じ、緑のマントに身を包んだ精悍な顔立ちの狩人である。
二枚目な甘いマスク、唯斗より5センチほど高い身長、生来のものだろう面倒見の良さなどもあって、他人に興味がない唯斗でもモテそうな男だと思う。
そんなロビンも今は水着姿の霊衣を纏い、がっしりとした体躯を晒している。まだ慣れず目をそらしてしまうと、目ざとく気づいたロビンはさらに笑みを深めて、腰を屈めて唯斗の耳元に顔を寄せた。
「相変わらず可愛い反応ですねぇ」
「…うるせぇな……」
顔に熱が集中している自覚はある。
そう、実はロビンと唯斗は、いわゆる恋人という関係である。
第七特異点の前に、「告白ってやつ、いるんですかね?」と切り出され、動揺する唯斗に「言うつもりはなかったが、いけると思ったらいくっしょ?」と押されてしまった。当然だ、ロビンのような人の機微に敏感な人物が、最も近いところにいた唯斗の感情を察せないわけがない。とっくにお見通しだったのである。
そうして恋人という関係に収まってしまったことは、藤丸はじめ他のサーヴァントたちにも筒抜けで、「まだ付き合ってなかったのか」と驚かれることすらあったほどだ。
「ちょっと、イチャつくならよそでやりなさい」
「すんませんね」
ジャンヌ・オルタは呆れたように窘めるが、ロビンは楽しそうにそう返すだけだ。
藤丸は素材の一覧をスクロールしながら、ちらりとこちらを見遣る。
「…オルタちゃん、次この二人ネタにする?」
「BLで1位は無理よ」
「そういう問題じゃねぇだろ…」
そうして飛び出した発言は恨めしそうな声が溢れており、ジャンヌ・オルタもそんな適当な返答である。あまり刺激しないようしなければ、ループするのをいいことに爆死前提で勝手にネタにされては堪ったものではない。
「俺は別に構いませんがね」
「アホ」
そして案の定、ロビンはこんな調子だ。いつもなら嫌がるだろうに、唯斗との関係を喧伝して牽制できる場合にはその限りではないらしい。
そんなところにも好きだなぁ、なんて思ってしまう自分も大概浮かれているようだ。