死が分かつまで−11


言われた通りにその感覚をリフレインしていると、原田は指を抜いて、下半身の霊衣も消失させた。これで互いに一糸まとわぬ姿となる。
原田は自身にローションを垂らすが、ちらりと見えたその屹立に、ぼんやりしていた意識が覚めるような気がした。


「…え、でかくね」

「まぁ、この図体なんで。大丈夫っす、入口の筋肉はかなり解れてるんで、痛みは少ないはずです」


中に痛覚の神経は通っていないため、入口さえ解れれば痛みはないという。そうはいっても、原田の逸物は正直受け入れられるとは思えなかった。
だが、ここまできてやめたくもない。唯斗から拒絶したくなかった。


「…ん、いいよ」

「じゃ、失礼するっす」


そうして原田は、自分のそれを唯斗の後ろに宛がうと、ぐっと押し込んできた。ゆっくりやる方が痛いとのことで、一気に入れるつもりなのだろう。
さすがに指とは比べ物にならない圧迫感で、痛みはさすがにゼロではない。だが、今まで戦闘などで経験してきた痛みに比べればどうということはなかった。

そして、亀頭がぐぷりと入った瞬間、一気に中に入ってきた。つっかえが取れたように原田のものが挿入され、同時に、衝撃で一瞬頭が白くなる。


「ッ!!は、はッ、」

「ふー…ッ、痛くねぇっすか」

「ギリ、大丈夫、だけど、ちょっと待って…っ、」


本当はわりと痛い。こっそり治癒術式を一瞬だけ使った。だがそのおかげで、切れた部分が治ったことで痛みが一気に引いていき、先ほど指で感じていた変な感触が気になり始める。
それに気づいたことで、唯斗は後ろを締め付けてしまった。瞬間、形のよいそれが唯斗の中を圧迫し、突然、経験したことのない快感が突き抜けた。


「ッあ、ひっ、んぅっ、はッ、な、に…っ、」

「うお、すげー締め付け…いきなりそんな感じられるって、唯斗さんすごいっすね」


あまり嬉しくない誉め言葉だが、なんにせよ、強い快感によって思考がおぼつかない。
さらに、原田はいけると踏んだのか腰を揺らした。途端にさらに強い衝撃が走り、奥に響く。


「俺のが、こんな薄い腹に収まってるって、普通にえぐい、っすね」


腰を動かしながらそう述べるが、確かに、あんなものが今唯斗の中にいると思うと、なんだかたまらない気持ちになる。


「あッ、はっ、ん!お、れ、いま、ぜんぶ、さのすけで、っあ、いっぱい、っ!」

「く…ッ、また、そういうこと…!」


原田はさらに唯斗の腰を掴み、奥を穿つように打ち付けてくる。刺激によって何か漏れそうになり、慌てて奥を引き締めてしまい、さらに原田のものが内側を圧迫する形になる。
原田も快感に表情をゆがめており、唯斗は必死に原田の腕を掴む。

それに気づいた原田は、唯斗の手を握り、腰を動かしながらキスを落とす。


「かわいい、唯斗さん、全部、俺のものっすよ、いいっすね」

「んあッ、わか、った、からぁ!も、やば、」

「俺も、やべ…っ」


原田は唯斗のものの先を撫で、中と外から与えられる強すぎる刺激に意識が飛びそうになる。腰の動きが激しくなり、そしてついに、唯斗が先に果てた。
自分の腹に白濁をぶちまけると、数秒後、原田も唯斗の中に精を吐き出す。


「〜〜ッ!!」

「く…ッ」


互いに果てたことで、荒い息遣いだけが室内に響く。いくらか柔らかくなった原田のものがずるりと外に出るが、中に出されたものは魔力として変換され唯斗の体内に浸透していく。
原田は手早く唯斗の体を拭いて綺麗にすると、再び右側に横になり、先ほどと同じように腕枕の形で抱きしめた。


「…ありがとうございます、受け入れてくれて。さすがに痛かったすよね」

「あー…いや、すぐ治癒術式で治したから、痛みは最初だけだった。それより、なんかえぐいくらい気持ちよくて…」

「あぁ、初めてで感じてたの、魔術で調整したからか。快感を妨げる要素がなくなってたんすね」

「自業自得か…」

「嬉しかったっすよ、それにめちゃくちゃ可愛かったっす」


本当に嬉しそうにぐりぐりと頭にすり寄られ、唯斗も原田の胸元に顔を埋める。
互いに気持ちを吐露して、体を重ねたからだろうか、唯斗はいろいろと遠慮の壁がなくなっていることに気づく。


「…シャワー、連れてって」

「もちろん。全部俺が面倒みますよ、責任取って」

「そこまではいい…けど、うん、そばにいてもらうの、落ち着く」

「その調子で甘えて欲しいっす。全力で甘やかすんで」


そう言って頭を撫でられたため、唯斗ももっと深く抱き着く。二人の間にあった見えない距離はゼロになっていて、今まで誰ともこんな距離になったことはなかったはずなのに、これが当たり前かのように自然に受け入れていた。

少し落ち着いたことで、唯斗もいくらか思考がクリアになってきていたため、原田の太い腕の上で頭をずらして至近距離で見上げる。


「死ぬほど甘やかしてくれんの?」

「っ、くく、そっすね。あと死ぬほど気持ちよくします」

「腹の上で死に損ねるのか…」

「ふは、いいっすね、それ」


珍しく噴き出した原田に、唯斗も満足して、改めて抱き着く。原田も再び後頭部を撫でつける。

今は不思議と、死ぬまでそばにいる、という言葉が現実的に受け止められた。本当に死が二人を分かつまで一緒にいると思えた。
心からそう信じられることがどれだけ幸せなことか、唯斗は初めて知ったのだ。



prev next
back
表紙に戻る