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1000文字未満のSS夢ダイゴ|チリ2023/02/25【それでも愛して】
Character: チリ
時々、チリさんがひどく苦しい顔をすることがある。それはわたしの家でゆっくり寛いでいる時だったり、仕事の帰り道に隣を歩いている時だったり、或いは朝目が覚めて彼女がわたしに付けたキスマークを見つめる時だったりと、いつも何か幸せを感じた直後に顔が翳った。
「ごめんな」
決まってチリさんは謝るけれど、チリさんは謝るような事を何一つしていない。ソファに二人で腰掛けて話題の映画を見るのは楽しく、仕事帰りにコンビニでアイスを買うのだって嫌だと思った事もなく、体に散りばめられた赤い痕はわたしを興奮させることはあっても謝罪を求めようなんて一度も思ったことはない。それでもチリさんは見てるわたしまで胸が苦しくなるような辛い顔をして、謝罪の言葉を呟く。
「人に言えへん付き合いさせてごめんな」
繰り返すけれど、チリさんは謝るような事を何一つしていない。今わたしがチリさんと付き合っているのはわたし自身の意志、チリさんに強制された関係ではない。たしかに恋人がチリさんだと誰かに打ち明けたら好奇の目が向くかもしれない。でもそれ以上にこんなに素敵なチリさんと付き合っている事を羨ましがられるに決まってる。
「ほんま自分はええ子やな。ますます手放せへんわ」
ぎゅうっと抱きしめられると、ぴったりと触れ合った身体に自分のとは異なる鼓動が伝わってくる。ほんの少しテンポを速めた鼓動がどくんどくんとわたしの胸に響く。わたしの心臓もチリさんへの想いを乗せて強く拍動して、背中へ回す腕に一層力を込めた。
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