ysss
誰も迎え入れたことの無い場所をこじ開けるように。重なった
安心させるように笹木を抱きしめる社の、荒く熱っぽい吐息が笹木の耳を掠める。く、と時折耐えるような声が鼓膜をくすぐり、その度に笹木はお腹の奥がきゅうとくすぐったくなるのを感じていた。
それでも、痛いものは痛かった。自分の形に馴染むのを待つように静止していた社が再び腰をぐ、と押し進める度に笹木はちりちりと腟内に痛みが走るのを感じる。ふ、ふ、と浅く息を吐いていると、笹木を抱きしめる腕の力が強くなった。
「っ、すまん」
息も絶え絶えに我慢してくれと社が言うので、笹木は左右に小さく頭を振る。だいじょぶ、と言えばお礼を言うように社の大きな掌が笹木の頭を優しく撫でる。
痛いのは当然嫌い。だけどその焼くような痛みが気持ちいいような気もしてしまう。身体は熱いのに背筋がへんにぞくぞくとして、身体を丸めて震えてしまう。
うち、こんな痛くて気持ちいいの、知らへん。
笹木はそんなふうに思ってしまう自分が自分でないように思えて、ぎゅっと目を瞑る。今まで一度も覚えたことのない感覚に、笹木は思わず涙を浮かべた。
「や、しき……、っんぅ」
笹木の口から縋るような声が漏れてしまい、それを合図に、きつく目を閉じ息を詰まらせていた社が身体を起こし、気遣わしげに笹木を見下ろした。
重なっていた肌の温もりが急に退いてしまい、驚いた笹木が社を不安そうに見つめた。
「っや、やめんで…っ」
離れてかないで、と笹木は思った。蚊の鳴くような声で絞り出した笹木の言葉に、今の今まで眉間に深い皺を寄せて汗を浮かべていた社は、視線を交わらせた途端やさしい笑みを浮かべる。
「やめねぇよ、」
社は、胸の前でぎゅっと握られた笹木の手をすくい上げると、解くように触れて開かせ自分の指を絡ませた。そのまま自分の口許に運び、笹木の指先に口付ける。
「好きだ、咲」
「ん、ぁ、やぁ」
咲、と名前を呼ばれ、笹木の
「さく」
「っひ、それ、やぁっ」
「……素直」
名前を呼べば収縮する腟内は、いやだという本人より余程正直にも思える。社はそう言うと少しだけ押し入ろうとする力を込めた。ちり、と再び痛みが走り、その言葉がどこを指すのかを理解した笹木がボッと顔を赤くする。
「っ、ばかぁ!」
思わず笹木が悪態をつけば、可愛い、と言いたげに社が眦を下げて笹木を見た。愛おしそうに、それでいて熱情を灯した瞳が笹木を射抜く。そしてもう一度笹木に覆いかぶさると、社は笹木の耳元で囁く。
「好きだよ」
その言葉を合図に、社はさらにぐっと腰に力を込めた。