ーafter that

『えーいいないいなぁ、僕も海行きたーい』

『五条さんは海外はよく行く?』

『そうだねぇ、行くんだけど…ほとんど仕事だからなぁ』

『時差考えず毎回電話してくるのいい加減やめてもらえますか』

『七海全然出てくれないじゃーん、僕のラブコール』

『…引っ叩きますよ』

そう言って彼はキッチンの方へと次の料理の準備をしに行った。


『強請りなよ』

頬杖をつきながら五条さんは言った。

『七海ならファーストクラスでもスイート連泊でも余裕で出来るでしょ』

彼の瞳の色とはまた違う、透き通る浅瀬の海のような青い瞳の色。
この間見つけたガラスの地球儀の色に似てるなと思った。
なんでか分からないが、嬉しそうな顔をしてる。

『ファーストクラス…うーん。そしたらその分美味しいもの食べたいかも』

そう言うと一瞬面食らった顔をした後に大きく笑った。

『なるほどね、なんで七海が君をこんなにも大好きなのか分かったよ』

『え?』

聞き返しながらも、ブルスケッタを頬張った。
トマトとバジルの香りが鼻を掠めていく。

『また変な事吹き込まないでください』

グツグツと美味しそうな音を立てている出来立てのグラタンを持って彼が戻って来た。

チーズは4種類、たっぷり入れてもらった。

『人聞きが悪いなぁ、僕がいかに七海から尊敬されてるかを話してたのに』

はいはい、と溜息をつきながら彼は取り皿へとグラタンを盛り付けていった。

『これまでも変なことなんて吹き込んでないでしょー』

『ホットミルクに醤油を入れるとか』

『みたらし団子の味になるんでしょ?』

『あぁ、あれね!上にきな粉振りかけてもいいよ』

『だったら団子を買えば良くないですか…』

『そうじゃないんだよなぁ』


まだまだ夜は長そうだ。



In Love Again