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君はいつも俺と出会った時の事を楽しそうに思い出しては話していたな―。
◆
神羅電気動力株式会社
通称 神羅カンパニー。
この名前を聞いたことはない、という人間は恐らくは居ないだろう。
この会社に入り神羅兵になれば、同世代よりも良い金額の給与を得られるだろう。
そのネームバリューに惹かれてやって来るものも多い。
数多くいる神羅兵の全てが会社に忠実に働いているとは言い難い。中には問題を起こすものも居て、もみ消せるものはそうするというのがこの会社のやり方だ。
今もまた一人、いや二人。
上にはどうせ知られる事がないと思っているその浅はかさを
面白いくらいに体現している者達が目の前に居る。
このような場所にくるのは目立ってしまうが致し方ない。
今後がないように今ここでこうするしか―。
「おまえたち」
低く響く声にヘルメットをかぶっている神羅兵2人は身体を強張らせた。
周りの女性たちはひそひそと色めきだった声を上げてその声の主に見入った。
恐らくこのミッドガルに住んでいて知らない者は居ない。
類稀なる容姿にほんの一握りの選ばれた人間しかなれないであろう、ソルジャークラス1st。
その中でも英雄と謳われた人間。
「セフィロス・・・・・・さん」
神羅兵2人は敬礼をして背筋を立たせた。
「休憩中、非番なら制服を脱ぐんだな」
怒鳴りつけるわけでもなく、ただその言葉には≪神羅という看板を掲げながら余計な問題を起こすな≫という意味合いが含まれていることを神羅兵2人は瞬時に理解をした。
セフィロスの後ろに控えていた2ndのソルジャーも思わず背筋を伸ばした。
「はっ!し、失礼いたしました。」
「この場所の見回りは十分だろう。もともと治安も良い。8番街の方へと行ってくれ」
もう一度敬礼をした後二人は足早にその場を去って行った。
その姿を見送ったセフィロスは今しがた二人が居た店のスタッフへと声を掛けた。
「申し訳ない、仕事の邪魔をしてしまい」
先ほどの二人は見回りという業務にかこつけて、この店のスタッフに絡んでいたのだろう。
色とりどりの生花やドライフラワーが飾られ、奥ではスタッフ二人が大掛かりなブーケを制作している。
店長と思わしき女性がにこやかに大丈夫ですと言い、その隣には不思議そうにセフィロスを見つめる女性が居た。
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name、俺はあの時不思議そうに見つめる君の瞳が忘れられなかった。