穏やかな日差しの午後、ラディは店頭に居てミカルはセブンスヘブンへ行っている。

先日この店に訪れた青年の瞳が脳裏から離れなかった。

あの瞳は魔晄を浴びた印。
神羅の私設軍隊エリート兵・ソルジャーということを示している。

自分もユアンも一時、ほんの数か月ではあったが神羅に所属していた。
各国での警備から任務は離れ、神羅での護衛がメインとなった・・・表向きは。

実際は神羅社内でも社長をはじめとした数人の人間、主に重役幹部クラスの者しか知らない
地下での研究施設での任務だった。
万が一≠ェ起こった時に素早く対処でき、研究対象となっている者達が暴走したときに互角、若しくはそれ以上の力を持って制することが出来るであろうという理由からだ。

あまり思い出したくない、その光景は華々しい神羅とはかけ離れている闇の部分であった。

神羅を離れることは容易くはなかったがラディとユアンは勿論、率いてた部下たちの実力をもってすればその当時の神羅兵を始めとする武力の中枢を破壊する事も造作のない事だった。
それを知っていたトップは双方の平和的な解決≠掲げて数々の好条件も出して来ていた。

『一般の市民と同じ生活をする。私たちの関係はここで終わりだ、市民と企業―ここで見聞きしたものは無論口外等することはない。2度と個人的な関わりも持たない。』

神羅側からは執拗に引き止められたが
ユアンは真っ直ぐにそう伝え、自身が長年愛用してきたガンブレードを決別の意味も込めて置いてきた。

その日を以てその特殊部隊は解散となり、部下達も散りラディとユアンもミッドガルの一般市民として暮らすことにした。

―――――――
『ユアン。ミッドガルじゃなくてもいいんじゃない?ミカルを育てるなら他にもいい場所はある。万が一神羅にこのことを強請られたら・・・』

「ここには、ミカルが出会うべくして出会う人々が居ると思うんだ。矛盾してるのは分かっているけど…。」

それだけを言ってユアンは遠くを見つめていた。

――――――――

「ユアン・・・あの瞳を持った青年がもしかしたら・・出会うべくして出会う人々のうちの一人なのかもね」

今は亡き戦友の写真を見てラディは呟いた。


珍しく車が乗りつける音がして完全に意識が戻された。

―車?

業者の運転するトラックの音ではないのは明らかだった。
静かなエンジン音・・大きめの高級車だろう。

車から降りた足の音は・・・一人・・二人。護衛付きの人物がこの店に何の用だろうか。

昔を思い返していたからか、まだ腕は鈍っていないかもしれないとラディは軽く苦笑いを零した。



In Love Again