ノクトの誕生日でもあり納涼祭初日は日付が変わっても興奮冷めやらぬな状態で城内は熱気にあふれていた。
プロンプトは初めて訪れる王都城に興奮し、感嘆の声を上げながら見回していた。
「すっっっっ....ごいね、ノクトって王子だったんだね」
「どーいう意味だよ」
「親しみやすい王子だよね、ノクトは!」
「もうちっと王子らしさがあってもいいけどな」
「ノクト、これを機に自覚をもう少し持ってくれ」
「へーへー」
今日は王都城に務める者達と家族のみという事もあり、幾分和やかなムードで時間が過ぎて行った。
ビュッフェスタイルの料理はどれも美味しく、夏祭りの様に屋台も出し、子どもたちは色とりどりの飴細工を受け取り喜んでいた。
「なんかいいね、こういうの。夏らしい!」
プロンプトは自分の思い出用にと写真を撮っていた。
「もう、最高過ぎる夏の思い出だよ〜〜!ノクトありがとうね」
「そりゃよかった」
シギルはお目当てだった人気のカフェが期間限定で出しているかき氷を受け取っていた。
ふわふわの氷の回りに、食用の花を閉じ込めたゼリーのジュエルボールが並びシロップをかけて食べる。
「シギル、ここに居たのか」
「ここのかき氷食べたかったの!美味しいんだよ、天然水使用してふわふわで...」
飴細工を貰って喜んでいる子供たちと変わらない無邪気な笑顔で話すシギルに、イグニスは笑みが自然と零れた。
「あぁ、綺麗だな。食用花か?」
「そう。ゼリーの中に入ってるよ。一口食べる?」
はい、と掬って口元へと運び当たり前の様にイグニスは口に含んだ。
「あぁ!また距離感とか...!」
「...別に、普通だが。うん、旨いな。花の香りもするんだな」
「プロンプトも食べる?」
「そういうことじゃないの!」
「あ、俺欲しい」
「はい、ノクト」
「おー、花火上がったぞ」
突然大きな音と共に夜空を彩る花火が上がった。
「すごい、綺麗だね〜」
思わずかき氷を食べる手が止まってしまった。
「毎年、この日は花火上がってたもんね。いつもは家の窓からだったけど今日はここで皆と見れて俺、すっごい嬉しいよ」
プロンプトが満面の笑みで言った。
「私も。ルシスに戻ってこうやって過ごせてよかった」
暫く5人で空を見上げる。
「...皆、どーもな」
「え?ノクト何か言った?」
花火に消されてしまった言葉。
どうか来年も、その次もずっと
こうやって皆で夜空を見上げる事が出来る様に―。