1本の薔薇は
「一目惚れ」

「なあに、これ」
「恩を返しに来ました」
そう言って法正が手渡したのは一本の薔薇。恩を返しに来たと言われても、なんの事だか彼女には見当もつかない。
「私、何もしていない。法正の恩を受けることなんてしていないけれど」
「俺が勝手にしている事ですので、お構いなく」
不思議そうに薔薇を見つめる彼女に対して、法正は必要以上のことは発さなかった。
運命の人。あなたが存在しているだけで、俺にとっては恩を返す意義があるのですよ。
ありがとうと述べる彼女を見ながら、法正はそう思うのだった。
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