9本の薔薇は
「いつもあなたを想っています」

恥ずかしいんです。直接好きっていうのが。ちゃんと伝わるか分かんないし……
そんな相談を宗茂に持ちかけたのが始まりだった。乙女は9本の薔薇を豊久に押し付けて、もじもじしている。これだけで自分の思いは伝わるのだろうか。あの豊久が花を贈る意味を理解しているとは思えなかったからである。
「キレイな花! ありがとな」
無邪気に喜ぶ豊久の様子に、ひとまずは安心した。だが。
「でも、何でこんな中途半端な本数なんだ? なんか意味あるのか、」
「む、宗茂様に聞いてください!」
やっぱり、無理だ。結局意味を伝えなければならないのならば、恥ずかしくて仕方がない。
脱皮のごとく逃げ出した彼女の逃げ足は素早かった。
「なんで立花なんだよ……」
一人取り残された豊久が口を尖らせたのは、彼なりに嫉妬したからに違いない。
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