主君のためなら死ねる
怪我をした。鍛錬中に運悪く腕に傷を負ってしまったのだ。下っ端である自分の未熟さを感じながら包帯を巻いていると、誰かが近づいてきて…
「そなた、怪我をしているではないか。それにまだ血も出ている。正しく手当をしなければ、後に響くだろう」

 私の目の前に居たのは、劉備様だった。巻きかけた包帯が彼によって解かれる。いや、呆けている場合ではない。

「劉備様がなさるような事ではありません! そんな、お気遣いなく!」

 必死になる私に目もくれず、劉備様によって傷の処置が終わる。なんて速さだろうか。

「いや、部下の身を案じるのも君主の務めだ。私はそなた達に平和を見届けてもらいたいのだからな」

 この人の為ならば、命を掛けても悪くないと、確信を得た瞬間だった。
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