将軍のためなら死ねる
目が覚めると、最初に目に入ってきたのは寝台に敷かれた敷布だった。全く状況が呑み込めないが、うつ伏せで寝ていた事だけは理解出来る。しかし、体を動かそうとすれば激しい痛みが全身を襲った。
「……目覚めたか……」
聞こえてきたのは周泰様の声。そうか、私、周泰様を庇って背中を斬られたんだった。目線を上げれば、相変わらずの無表情の中、少し悲しそうな周泰様の姿があった。
「すまぬ……俺のせいで、傷が……」
確かに大怪我をしたことは辛い。だが、私を満たしているのは多大な満足感だった。
「周泰様。私達、お揃いですね」
傷は名誉の証なのだと、私は周泰様を見て学んだのだ。
「……生きていて、本当に良かった」
無口な将軍は私の言葉の意味を理解したようで、珍しく照れていた。