将軍のためなら死ねる
「趙雲殿、頼まれていた書簡を持ってきました」
「ああ、すまない。こちらに置いていてくれ」
近頃は戦場に立つだけでなく、文官がするような仕事さえも私達で補う機会が増えた。劉備殿が足がかりとなる土地を得たことは嬉しいものの、人手不足なのはやはりどうしようもない。
「なんだかこうして見ると、趙雲殿が遠い人のように思えます。きっと、この先も貴方は私を追い抜かし続けていくんだろうなあ」
私はずっと趙雲殿に付き従っている。あの頃に比べれば、私達は大きくなった。特に趙雲殿の活躍は著しい。昔、二人で思うがままに戦場を駆けたことが懐かしく感じる。
「それでもお前は、何があっても私に着いてきてくれるだろう?」
趙雲殿は私の心を見通して朗らかに笑う。そうだ、私は趙雲殿に命を捧げているのだ。それは昔も今も変わらないのだ。