身勝手だけど、
陸遜殿とたまたま会ったところ、美味しそうな肉まんを貰ってしまった。「陸遜殿、ありがとう!」そう言って私が抱擁してみると、普段の落ち着きからは予想できないくらい慌ててどこかに行ってしまった。
呂蒙殿にたまたま会ったところ、今度数人で集まって勉強会をするからお前も来ないかと言われた。夜遅くになってしまうが……と少し気まずそうにしていたのだが、折角の誘いなのだから私は予定を確認することもなく了承した。
「あのさ」
「どうしたの」
凌統の機嫌がやけに悪い。私は何も知らないふりをした。
「……俺にもさ、独占欲っていうの? 持ってんだよ、あんたは知らないかもしれないけど」
正直言って、彼がそういったことを思ってくれているのは……かなり嬉しかった。わざとだよって言えば流石に怒らせてしまいそうだから、言わないけれど。
「ごめんね。……もう不用意に男の人には近づかないから。私には凌統、あなただけなんだからね」
「……ん」
凌統は頭がいいから、彼が私に弄ばれているのというのは何だか新鮮だ。そっぽを向く背中に向かって手を回してみる。その体温はいつもよりも暖かく感じた。
(20240804)