惚れた弱みに、大馬鹿者は気づかない
「本日から趙雲殿の元でお世話になります。乙女と申します」

「乙女。よろしく頼む。劉備殿のために、共に力を尽くそう」

怪しまれていない。乙女は笑顔を取り繕った。乙女が趙雲の元で戦うことになったのは、彼の部下になりたかったからでも、劉備の目指す仁の世というものを見たいからでもない。

乙女が国許の主君から指示されたのは、趙雲を殺すこと。来たるべき戦の中で、彼を抹殺すること。それだけだった。

勘づかれてはいけない。乙女は趙雲のような忠義の士ではないのだ。

忠義の、反対側に位置するような立場だ。間者というものは、そうでなくてはいけない。どこまでも卑怯で、汚れていなければ務まらない。今までもそうだったのだ。今までもこうして間者として国に情報を送り、命令があれば見ず知らずの人間も殺した。ただ目的の相手を消すのに時間が掛かるか掛からないかだけで、そこにはなんの違いもない。乙女は決意を固めた。



趙雲が劉備と話していた。いずれどちらも裏切るのだから、必要がないのにも関わらずわざわざ話しかけるということは無駄な行為であるように感じる。だが、だからと言って必要最低限しか話さないというものはまた怪しまれるだろう。乙女はいつものように、偽りの笑顔を浮かべながらもそのように考えた。趙雲が会話を終え、乙女の方向へ歩き出してきた。

「趙雲殿は、劉備殿のことを本当に想っているのですね」

仁の世など、まやかしではないのか。乙女にとってはそう感じてしまうものであるが、趙雲は本気で劉備のことを信じているようだった。

「うん? お前も劉備殿のお考えに惹かれたから、私の部下となったのだろう」

しまった。失言だった。これでは劉備のことをなんとも思っていないかのようだ。表向きは劉備に対して忠実で、彼の目指す理想を信じなければいけないというのに。乙女は焦りながら言葉を選ぶ。

「……趙雲殿には敵いませんから。その想いの強さは」

「まあ、私のほうが劉備殿に仕えて随分と長いからな。お前も私のような強い心を持てるさ。あの方と共にいればな」

「……そうですね」

趙雲はどうやら、乙女の言葉を素直に受け取ったようで、彼女はほっとする。少しの失言でも命取りだ。

だが、趙雲という人間を葬るまではまだ先が長い。それまでに全てを本当に隠し通すことができるのだろうか。乙女は少し不安になった。



趙雲と共に、初めて戦場に赴いた。小規模な討伐戦に参加したことはあるが、本格的に、長期的に行う戦はこれが初めてだった。戦場に出る経験はなくはなかったから、乙女は極めて忠実に趙雲に従った。

命令に従うだけなのだから、普段の執務よりもましだと思った。趙雲はやけに一介の、大した地位を持たない女である乙女に話しかけている。それを自覚しないほど鈍感な彼女ではない。執務に必要な書簡の受け渡しひとつであっても、彼は毎回のように職務に関係のない世間話をするのだ。

腹の内を探ろうとしているのか。乙女には、趙雲の心が読めなかった。仮に本当に世間話をしたいだけなのだとしても、乙女にとっては煩わしいものでしかない。

何かの拍子に、乙女が間者であるということを仄めかすようなことを口走ってしまうかもしれないからだ。

だから、必要以上のことは話さなかった。ありきたりな、誰にでも言えるようなことしか、乙女は話さなかった。

戦場は楽なものだ。ただ趙雲の命令のみを黙って受け入れていればいい。

例え怪我を負ってもそれは自分自身の責任であり、趙雲が気を遣う必要はやはりないものだ。まだ完全勝利だと定まってはいない。まだ油断出来ない状況の中で、乙女は怪我を負った。

自己責任だ。放っておいても、誰も何も思わない。そう思っていたのに、この男は違った。乙女は思わず、ため息をつきそうになった。

「……傷の具合は」

「恐らく、見た目ほど深くはありません」

本陣に帰ってきた趙雲の表情は、いつもよりも冷たいように乙女は感じた。

無能な部下に失望したのだろうか。むしろ、どん底まで失望されれば良い。所詮自分は間者であるのだから、無駄な情など与えられても無駄なのだ。するどい眼光で乙女を見つめる趙雲に対してそう思った。傷つくまでもないのだ。むしろ、構わないでいてほしい。中途半端に接されても困るだけだ。

「衛生兵を呼ぶ。そこで待っていろ」

「……はい」

従うしかなかった。まだ趙雲を殺す機は熟していないから良いものの、この体たらくではいけない。そうは思っているが、乙女は己の体の脆さを思い知った。

衛生兵の見立てによると、彼女がこれ以上戦闘を継続することは不可能であるという。一刻も早く引き上げるべきだとした。

情けなかった。間者として忍び込んでいる以上、周囲にはいずれ敵となる人間しか居ない。そのような人間の世話になるということを、乙女はどうしても許せなかった。

全て自己責任なのだ。彼らの世話になるくらいならば、趙雲の首などどうでも良いから死んでしまえば良かったのだと乙女は思った。任務を遂行することだけが乙女の道として残されている。ただ生きるために国に従っているだけだ。仮に死んでも、主君は何も思わないだろうと思った。今まで乙女が殺してきた人間に対して、何の後悔の念も抱かなかったように。

「私が別の者を連れて奇襲を仕掛ける。お前は大人しくしているほうが良い」

趙雲はそう言い残して出撃の準備を整えるために乙女の元を離れた。

乙女は小さく、「はい」と返事をしたが、趙雲は振り返ることはなかった。



戦いは、趙雲たちの勝利に終わった。皆勝利を収め喜んでいる。それは本拠地に戻ってからも変わらずで、浮かない顔をしているのは乙女ぐらいだろう。

乙女が負った傷の中で最も大きいものは右足で、その次に右腕が激しく痛むようになった。

これでは戦いどころか、趙雲を消すために必要な情報を得ることすら出来ない。乙女は与えられた一室で、必死に悔しさに耐えた。加えて骨が折れているのか、高熱が彼女を苦しめる。

不必要に出歩かないように。趙雲からはそのような伝達が送られた。

送られただけで、あれから趙雲には会っていない。乙女は部屋を歩くのが精一杯で出歩くなど出来ないし、趙雲が見舞いに来ることもなかった。

趙雲に蔑ろにされるだけならばまだ良い。もし趙雲の指揮下から出ていけなどと言われてしまったら、何のためにここに居るのかが分からなくなってしまう。乙女は医者の指示を聞くだけの一日を送るしかなかったが、早く怪我を治さなければならないと思った。



やがて、その気持ちに拍車が掛かる出来事が起こる。乙女の元に、家族からだとしてとある書簡が送られた。

乙女は主君からの催促かもしれないと思い慌てて中を覗くと、そこに書かれていたのはやはり趙雲を一刻も早く殺せという内容だった。家族の名前を騙ってまで、乙女の行動を急かしているのだ。

というのも、乙女の主君は戦いの準備を整えているらしい。乙女に求められたのは一つだけ。趙雲を葬る為に、怪しまれないようにして砦に誘導する。乙女のことは皆知っているから、そのまま彼を裏切ってこちらに戻れば良い。主君はそう乙女に対して求めていた。

主君の命令であれば、従うしかない。今までもそうしてきたのだ。そうして生きていたのだ。心は痛まなかった。ただ未だに完治していない傷跡だけが乙女に消えることのない痛みを与えた。



趙雲を亡き者にする手筈は整った。乙女は「家族」から届いた書簡をバラバラにして全て燃やした。証拠が残らないように、灰になるまで燃やし続けた。

まだ怪我は完全に治っていない。武器は持てるが万全ではない。

戦いに同行したいのだと趙雲に頼めば、渋々といった形で彼は乙女の出陣を許可した。乙女が怪我をしてから趙雲の姿をまともに見るのはこれが初めてだった。

趙雲は「無理はするな」と乙女に言う。上官としての形式的なもののようであるのだろう。乙女は黙って頷いた。彼の顔を見るのはこの戦いで最後だ。何の感慨も湧かなかった。

戦いは勢いを増す。乙女は真意を読まれないようにして、趙雲を目的の砦へ導き始めた。

「趙雲殿。あの砦は手薄なようです。私は敵陣を探って参りますから、先に落としてくれると戦況が有利になります」

「分かった……そうしよう!」

仁義に篤い、劉備に忠実な男であるから、この時点で乙女を怪しんでいるのならば、今彼女を間者だとして攻撃しても良いはずだ。それをしないということは、まだ気づかれていない。乙女の心臓がどきどきと煩く鳴っているのは、この戦いに恐れをなしているからではない。最後までやり遂げる。やり遂げなければいけない。そう思えば思うほど鼓動が大きくなる。

趙雲は砦に向かっていく。乙女はそれを見届けて、敵陣……いや、今からは味方となる軍勢の元に向かって馬を走らせた。これで国許に帰ることが出来る。趙雲はあの砦の中で最期を迎えるだろう。あの砦は手薄などではない。彼を殺すために、幾多の兵が待ち構えている。

任務は達成出来る。だがそのことによる感動はない。きっとまた主君からは後暗い任務を言い渡されるだろうからだ。

「乙女。良くやった」

久方ぶりに、主君にまみえることが出来た。乙女は無言で頷く。

馬から降りると、身体中が軋むように傷んだ。傷口が開いてしまったのかもしれない。まだ戦場に出るにしては傷が残っているのだ。だが、もう乙女に戦う必要性は残っていない。それでも彼女は槍を手放すことはしなかった。

主君と再会したにも関わらず、嬉しいなどという気持ちはなかった。そんな上辺だけの忠誠を捧げる主君であっても守らねばならない。それが決められた彼女の生き方だからだ。

趙雲はどうなったのだろう。彼の部下として行動していたのは短い間であることに加えて、怪我をした日から彼の態度は冷たかった。だから間者であると気づかれたとしても、恨まれていたとしても、構わなかった。

それとも、あの怪我を負った日のように、無能な部下が敵の戦力を読み違えたのかとあくまでも乙女を部下だと思って歯噛みしているのか。

だが一向に、趙雲を討ち取ったという伝令の姿は現れなかった。

それどころか、だ。急報がもたらされる。

「趙雲らしき人物が、こちらに向かっている模様……!」

その報告が響き渡るや否や、陣中に居る兵は動揺しだす。有り得なかった。あの砦は、趙雲を確実に殺せるだけの兵力があったはずだ。

乙女も信じることが出来なかった。今までのように任務を果たすことが出来たと思っていたのに、そうはいかなかった。

「乙女。我らを裏切ったというのか」

主君がそう言い出すのも無理はない。

「いいえ。私は貴方様を裏切ってなどいません」

時間稼ぎにしかならないだろうということを乙女は知っている。主君は目に見えて怒りを露わにしているし、趙雲はここに向かっている。

主君に斬られるか、乙女の手酷い裏切りを食らった趙雲が復讐として乙女を槍で貫くのか。どちらが先か。乙女はそう思うしかなかった。反撃の手段はあるが、やはり傷がまだ彼女を痛めている以上、自らが生きるという結末を辿るとは思えない。

「信じることは出来ぬ! 誰か、この者を、」

「我が名は趙子龍、乙女を返してもらう!」

主君と趙雲の声がしたのはほぼ同時だった。

この陣地に居る全ての人間が、趙雲の姿に恐れおののいただろう。それは乙女も同じだった。

趙雲は鎧の隙間に複数の矢を受け、白い装束を真っ赤に染め上げている。体の大部分を守っている鎧は所々にひびが入っていて、砕けてしまっている箇所もある。そうでない部分にも乾いた血がべったりと着いていた。手にしている槍は何人を屠ったというのか、血と肉片のようなものがこびり付いていて、未だに赤く滴っている。

それは趙雲自身も同じで、腕から、腰から、足から、果てには割れた鉢金の隙間から鮮血を流している。目は血走っていて、まさに鬼のような形相だった。


「早く、この裏切り者を――」

主君はしどろもどろになって、それでもなお乙女の始末を命じるが、彼女の目の前で趙雲の槍に体を貫かれる。その様子は凄惨な光景であるはずなのに、芸術的なものであるように乙女は感じて呆気に取られてしまう。生暖かい赤が飛び散り、彼女の体も汚した。何か行動を起こさないといけないはずであるというのに、足が竦んで一歩も動くことができない。

「帰ろう、乙女」

趙雲は全身から血を流している。満身創痍であるはずだ。それなのに趙雲は軽々しく乙女を抱えて馬に乗せる。そうして馬を飛ばして陣地を出ていくのだ。乙女は何が何だか分からなかった。

「どう、して……」

趙雲は何も答えずに、ただ馬を走らせるだけだった。

主君は死んだ。戻る場所は無くなった。趙雲に重症を負わせた責任を、あの場ではなく帰陣してから取らせようとするのか。

自分は牢獄にでも囚われて、やがて処刑されるのだろうか。分からなかった。生きる意味も今更見いだせないから、どんな未来が待ち受けていても何も感じない。乙女はそう思った。




乙女は敵に送られた間者だ。それは疑いようのない事実であるということは、今や知らない人は居ない。

現に、乙女は牢獄の中に居る。

だがいつまで経っても乙女の処罰は伝えられなかった。それどころか、牢獄の中に居る罪人とは思えないほど手厚い待遇を受けている。食事も傷の手当も、趙雲の部下として偽りの日々を送っていた頃から何も変わりはしていない。趙雲が彼女に会いに来ることもなかった。彼もあれほどの大怪我をしたのだから、それは当たり前であるのかもしれない。

殺すならば早く殺してほしい。先の見えない毎日の中で乙女はそう思うようになった。




ある日、趙雲が乙女の元を訪れた。

乙女が彼を裏切ろうとした日。趙雲に会うのはその日以来のことだった。

乙女の元にやってきた趙雲はまだ本調子ではないのか体の至る所に包帯が巻かれている。そうでない所も多くの傷跡がおびただしいほどにあった。

見せしめに来たのか。これほどの傷を私に負わせたのだぞ、お前は。そう言いたいのか。乙女はそう思った。

「お前が、埋伏の毒だったとはな。あの砦で悟った時は、随分と驚いたものだ」

「……」

今更なにを言い出すのか。乙女は彼の言いたいことが掴めず、黙っている。

「それでも、私はお前をここに連れて帰ってきたことを誇りに思っている。……お前が居ないと、困る」

困る? 何故? 乙女は戸惑った。自分のような不穏分子など、さっさと殺してしまえば良いはずだ。

それに、乙女が怪我をしたあの日から、趙雲の態度はずっと冷たいままだった。

「趙雲殿。あなたは私に失望しているとばかり思っていました。あの日怪我をして役立たずな置物と化したことも、貴方を陥れようとしたことも。何故私を生かすのです。貴方はとっくに私の正体に気づいていたのではないのですか」

乙女は重い口を開いて、言いたいことを全て言い切った。趙雲の考えも行動も、全て分からなかった。

「いや、違う……お前に、惚れているからだ。心底、どうしようもないほどに。その気持ちのみが、私を動かしたのだ」

「……信じられません」

乙女は絶句した。有り得ないと思った。惚れている? そんな素振りなど一度も見せなかった。惚れていたとして、あんな危険な真似を犯すものなのか? まとまりきらない考えが乙女の脳内を右往左往する。

「お前が私に書簡を持ってくる度に執務と関係のない話をしていたのは、お前のことをもっと知りたかったからだ」

「では何故、私が戦場で醜態を晒したあの日から、貴方は最低限のこと以外話そうとしなかったのです」

「お前が傷付くのを見ていられなかったからだ。……お前に傷を付けた人間に一矢報いねば、私の気持ちは収まらなかった。お前に対しては、常に冷静であらねばと……自分を演じていた。だが私の演技というものはお粗末なものだ」

「では何故、私が部屋から出られなかった時に見舞いに来てくださらなかったのです」

「見舞いには行った。……お前は高熱を出していたから、長居はしなかった。私に気を遣ってもいけないだろうから、何回も訪ねるということはしなかった」

「では何故、私が出陣を願った時に渋ったのです」

「……お前がそれ以上傷付くのを見れば、私は本当に我を失ってしまうと思ったからだ」

なんと言うことだ。これまで乙女が怪訝に思った趙雲の態度や行動の謎が次々と解き明かされていくではないか。

「では何故、私の裏切りを許し、あまつさえ私をあの場所から助け出したのです」

「言っただろう。……お前に惚れているからだ。一目見た時から……そうだった。だから、例えお前が敵なのだとしても、放っておけなかった……」

この男は馬鹿だ。大馬鹿者だ。

自分を殺しかけた女を、未だに愛している。焦がれている。

このような人間を、初めて見た。いや、このような人間こそが、人間であるのだというべきなのか。

愛というものは、人を縛り付けてしまう。だが、だからこそ人間なのだ。愛を、忠義を、生き様を利用されて、利用してきた乙女には知る由もなかったことだった。

「……私は、これからどうなるのですか」

どうなっても良いと思っていた。だが自分が死ねば、この男はきっと悲しむ。自分はこの男が死んでもなにも思わなかっただろう。この男は自分をこんなにも思っているのに。

馬鹿なのは、私も同じだ。この男が自分の思惑に気づかなかったように、自分もこの男の秘めた思いを知ることは出来なかったのだ。乙女は自嘲した。

「私の元で……これからも共に、歩んでくれないか。お前を殺すなど、考えてすらいない。私はお前を解放することを嘆願している最中だ。もっと率直に言おう。私と結婚してほしいのだ。お前には何の苦しみも与えたくはない。お前はもう自由だ。お前に標を与えた男はもう居ない……だから、これは私のわがままでしかないのだ、だが……」

彼にしては珍しく、言葉を詰まらせる。本心から言っているのは明らかだった。

「……私はもう疲れてしまいました。あの男も、もういない。けれども、それに対して何の感傷の情もありません。所詮私は駒でしたから。だから、本当はもう生きる意味などないのでしょう」

趙雲は何か言いたげだったが、乙女は続けて話した。

「けれども、あなたが私にその意味を与えてくださるのなら……私はあなたに従いましょう。……すべてを受け入れましょう」

趙雲のことは、これまでも嫌いではなかったのだ、と思う。猜疑心という壁を通してでしか彼を見てこなかった、いや、見るしかなかったというだけで。全てを失った今、初めからやり直すことが出来るのならば、そしてその意味を与えてくれるのならば。

趙雲の妻になるのも、悪くはないと思った。

「乙女……ああ……」

趙雲は傷だらけの手を伸ばした。牢獄の柵の隙間から、指が入ってくる。

乙女は立ち上がり、同じように手を伸ばした。趙雲の指は武人らしくごつごつとしていて、節くれだっている。彼に触れるのは初めてだった。

暖かいと思った。きっと彼の心もこの体温と同じように暖かいのだろう。抱きしめ合うことが出来ないのが酷くもどかしいと乙女が感じたのは、生まれてから初めてのことだった。

20240521
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