なぞる星(1)

バリケードからの通信で、あいつが見つかったと聞いた時。
俺のスパークが燃えるように熱くなり、返事を忘れ、バリケードに応答しろと怒鳴られた。
メガトロン…閣下に報告すると素っ気なく振る舞ってはいたが、通信終了間際『お前もたまには役立つなスタースクリーム』と、機嫌が良かった。
しかし、わざとひとつだけ報告しなかったことがあった。
コウダシエンはオートボットもディセプティコンも覚えていない。
俺のことも。"アイツ"のことも。
──認めたくなかった。
キューブを追い、連絡が着かなくなった閣下は、見つけた時は下等な虫けら共に氷漬けの姿をさらしていた。
しかし、閣下のスパークは損傷なく残っていたので通信できた。
だが、シエンに会う前に知らせなければいけない。
機は熟し、自由になった閣下に俺は、認めたくない事実を話した。

『お許しを閣下…』
『………』

終始無言。折檻が待っているかと思ったが、そのまま閣下はトランスフォームし、飛び立つ。

『…閣下』
『黙れ』

我が眼で直接確かめる。
なんと非効率な行動だろうか。
しかし、ただ一言。
それで俺のスパークは定まった。
俺が記憶しているシエンか、そうでないか。
ブレインサーキットをいくら動かしてみても分からないなら。
会えばいい。全てそれからだ。
オートボットから女が離れた瞬間、爆撃する。
あいつの可能性がある以上、怪我をさせるわけにいかない。距離は充分に取ったと思ったが、女は爆風ですぐに道路に転がった。
最初にサイバトロン星で会った時、ここまで人間が貧弱だと思わず。力加減を間違えたことを思い出した。
そのときは、シエンは損傷し、生死をさまよい、消えた。
次現れたときに真っ直ぐ眼を見られ、俺はひどく狼狽したのを覚えている。
そして今。
手のひらの上にシエンがいる。
あの頃と変わらない目。本物だ。
先ほどオートボットの副官の名を呂律が回らず噛んだとき。幼い頃を彷彿とさせ、思わず近くのビルを殴りつけ悶えていた。
先ほどの映像は宇宙にいるサウンドウェーブに転送済み。抜かりなぞあるわけがないだろう!←

歓喜に震え握り潰しそうになるのをなんとか耐え、会話する。

「ごめんよ星にぃに!」

小さくばれないように喜ぶ。
しかし、駄々もとい本音を言うメガト…閣下にシエンを手渡す。

『…虫けらの分際で俺の名を忘れたか』

静かに問う閣下。

(拗ねてる…)

しかし、あいつは正直に話した。
俺の、気に入ってるあの目で。
あぁ、これだ。
欺瞞の民として生きてきた閣下、俺、その他の奴らは。
皆あの目に射抜かれた。
シエンは、他の虫けらと違う。
だから欲しい。

『帰るまでディセプティコンにいればいい』

その言葉に激しく同意する自分がいた。

シエンがディセプティコンにいれば!
うろたえる彼女を尻目に考える。
だがせっかく良いところだったのに、プライムに邪魔される。

人間がポイ捨てするアルミ缶のように投げられたシエンをトランスフォームし受け止める。
コクピットに乗せるのは2回目。…覚えていないだろうがな。

もの思いにふけりながら飛んでいたせいでシエンの体にかかるGが増えてしまい、苦しむシエン。

「も…ムリぃっ!」
『ブハッ!』

その言い方と座席にしがみつく姿が‥ハッキングしたインターネットで、見た‥…‥人間のせ、せ、接続行為に似てっ。

(うばぁぁぁああ゛ー!)


自分の名前通り叫び出したい!
動揺し少し機体が傾いたところで通信が入る。
……五月蝿いサウンドウェーブにブラックアウト!
ヘタレなどではない!!
そ、そんな目で見ないでください閣下!!
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