危うい育児(2)



『トランスフォーマーの起源は?』
「しょ…えっと、プライム王朝?」
『正確には13人のプライム王朝だ』
「最初の13人…」
『そうだ。オールスパークがセイバートロン星に生命をもたらすために生み出した者達だ』
「ほわぁ〜…すっご」

(うっかり初代って言いかけた)

オールスパークの力を身体に宿している幸縁。
だが全ての力を理解しているわけではない。
そのため、現時点で既に重要な地位…防衛司令官を務めているメガトロンが、わざわざ時間を作り講義を行っていた。
無知の危険性を孕んでいる幸縁とサイバトロン星の為に。

『創造の為に生まれた者達…プライムとその直系の子孫達から生命が育まれ、脈々と今に受け継がれているのだ』
「…」
『どうした』

(プライム王朝と…みんながいたから、"今"があるんだよね)

「いや…なんかすごいなぁ〜って思ってた」
『乏しい語彙力のせいで実際の数%も貴様の想像した内容が理解できないが…まぁ、だろうな』
「怒涛のバカにされようにちょっぴり腹がスタンダップ!でも、理解を示してくれてありがとうメガトロンしゃん」
『フン…』
「えへへ」

紙媒体が無いため、専用に作って貰ったデータパネル(ラチェット&キュー作)を操作し学んだ内容をまとめれば休憩タイム。

「メガトロンしゃんはこの後暇?」
『暇な訳が無かろう。わざわざ予定を調整して此処に』
「そうなの…?じゃあコレあげる!」

そう言い幸縁は右手で何も無い空間を優しく撫でた。
淡く、徐々に強く輝いた発光が治まると、今まで何も持っていなかった右手に。

『!?…なんだこれは』
「はなだよ!」
『ハナ…あぁ、地球の植物とやらか』

花を模した金属製のそれを、幸縁はそっと差し出した。

『俺に…?』
「うん。あのね、感謝の気持ち!」

忙しいのに、迷惑かけてるのにありがとう、とメガトロンのオプティックを見つめ言う。

(う、動かない…)

「えっと、花には花言葉って言って意味があるんでしゅ」
『ならコイツは』
「カルミア…いやハナビシソウかな?」

曖昧な返答にメガトロンの声が険しくなる。

『お前の感謝は、相手に得体の知れない物体を贈ることを指すのか』
「…」
(確かに失礼だよね)

幸縁は右手の花を見て、またメガトロンを見上げ言った。

「なら練習していい?」

小説ページへ トップページへ