
汚れた目撃者(4)
「なんであの時みたいに車助けに来ないの?!」
小声で不満をこぼしてもあの黄色い車は来ない。
……黄色い救急車じゃないよ。私は健康体です。
映画では助けに来ていた黄色いカマロはなぜ来ないのか。
もうとっくに来ていてもいい気がする。それとも焦りすぎて覚えていたシーンを忘れたか?でも今目の前で起こっているのは現実だ。
転んだら怪我するし、爆発に巻き込まれたりしたら死ぬ。
「こっちが助けて欲しいわぁぁぁっ!」
幸縁は腹の底から叫び声を上げ、自分が隠れていた廃棄物の陰から走り出した。
手にはこっちで拾ったひどく錆びた野球バット。
もつれた足で、しかし素早い動きでうず高く積まれた瓦礫を登る。
そして跳んだ。
『!!』
「「うわあ゛ぁぁーっ!!!」」
(あぁ…死んだ)
バガンッ!
「うわぁヤバいヤバい!」
『?@ヾo%≡ё!!』
ガシャン!ボロボロッ!
「死ぬぅー!」
『¬`∇ゞфU▼∋)!!й゜』
「日本語しゃべれやぁぁぁあ!」
ガキンッ!
『(ρ°●‡§:!』
ズガァァァァァァアン!!
「い゛いやぁーーっ!」
飛び降りて変形したパトカーの頭に振り下ろしたバットは、いとも簡単に鋼鉄の装甲に跳ね返された。
両手が痺れてあまり力が入らない。
しかし足を止めたら死あるのみ。
ひいひい言いながらも攻撃をかわし、打撃を与え、注意をこちらに向けさせる。
少しずつ少年、いやもういいやサムだよサム。サムから注意をそらす。
つーか…
「さっさとサム逃げろやぁぁっ!」
何で逃げないのさ!
こっちはいま必死に逃げる時間稼いでいるのに!
え〜と、英語が分からん!
「ゴーホーム!!!!」
シッシッ
てっ犬かよ!!
ガシャン、ボゴォォォォォオン!!
「きゃぁああ!」
(もう限界だ!)
と思ったら、そこからはあっという間劇場だよ。(ネタわかるかな?)