スマホケース(キバナ)+

「ただいまー」

ガチャリと部屋のドアが開き、
彼が帰ってきた。

そのままナマエの隣に座ると、
「ほれっ」
何かを渡された。
「?」
よく見ると最新のポケphoneだ。

おまけにオレンジ色をベースに、青い線のような模様が入ったケースまで嵌められている。

『変えたの?』
「おう」

と、懐から何故かもう一台取り出してきた。
こちらもケース付きである。

『??なぜ2台?』

と聞けば、にっこり笑って

「それはお前のだ」

先ほど手渡されたポケphoneを指差した。 

『え?』
「お前のスマホ、もう古くて、固まるって困ってただろ?」
『そうだけど…』
「それによく見ろ」

キバナは二つのスマホをくっつける。
すると、線の模様だと思っていたものは、 
筆記体で、お互いのイニシャルへと変わった。

「これ、特注なんだぜ?ずっとお前とペアのケースにしたかったんだが、お前の型は古くてだな…
そこでオレさま閃いたわけ。2人で最新のポケphoneにしようってな」

ナマエの肩を抱き寄せ、キバナは嬉しそうに笑う。
並んだ二台のポケphoneは、
くっついて笑う今の2人のようだった。



その後、データの引き継ぎや、回線切り替え手続き等は全てキバナがやってくれた。
彼にかかればデータ移行なんて朝飯なのである。

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