▲ この腕であなたを飼い慣らしたい


「はぁ……ああ、何時だ」
スマホを指でトントンと軽く叩いて起動させると、思っていたより明るい光が目に染みた。
「ふ、まじかよ」
間違いなく表示されている17:26という数字に少し驚く。確かに、外はもう大分暗くなっているようだった。
「……なんじ?」
「5時半だよ。一体何時に起きたっけ」
「んん。10時ぐらい?」
「俺たち7時間もセックスしてたの?仕事じゃん」
「ふふ、京治何言ってんの」
さっきまで散々見せていた癖に、ベッドから落ちていた薄い毛布を手繰り寄せて体に巻き付けて▲▲は直ぐに体を隠す。それはいつもの事で、夜にする時も終わった後、▲▲はいつも最後にゴムの味がすると文句を言いつつも咥えてくれるけど、その時にはもうTシャツ一枚は着ている。一体1分前とは何が違うんだと思うが、どことなくその恥じらう行為が可愛らしいと思わなくもない。
「お腹すいた……けど、流石に先にシャワー浴びたいな。▲▲先にする?」
「後がいい」
「だと思った」
▲▲には少し大きい俺のTシャツを投げ掛けると、毛布に顔を少し埋めてありがとうと言った。こういう仕草も、嫌いじゃない。
「このTシャツ、京治の匂いする」
「あ、え、臭かった?」
「ううん、いい匂い」
「あ、そう。……あー、▲▲」
「んー?」
「もう一回だけ、しよう」
「ふふ、いいよ」
つくづく俺は▲▲に弱いと思う。



title by 婀娜 さま