2万煎じ


私の名はヴァニタス=イナス。魔王なすびの息子である。

近しい友人は私の事をバニーという愛称で呼んでいる。

そう、攻城戦における前衛への状態異常ばらまき行為がキラーバニーと言われるのは、私の愛称からとったものだ。

魔王なすびの血を継いだ私は無類の強さを誇り、挑み掛かる勇者達をちぎってはコーヒーに浸して食べていたのだった。しかしながら偉大なる父なすびがそうであったように、私もまた部下の反乱に煮え湯を飲まされ、とうとう勇者達に首をはねられてしまったのである。

チョンパ!

そして、今に至るのである。


私がここSUPER*玉出エリアにきた理由について語る前に、少しだけ祖父の話をしよう。

祖父の名は@生鱈@ 日本という国で生まれた。当時日本はリンクスネットを介したオンラインゲーム、『鉈でここ!ファンタジア』が爆発的な人気になっていた。

身体の弱かったひいじいさんは日がな一日ゲームをしていたそうである。

ある日、鉈ここに大型アップデートが来るという話があった。

アップデートの内容はリンクスゲームに関連する法律改正に伴う、制限の解除である。具体的には、心身分離を必要とするゲームプレイの使用時間と場所の制限が解除されたのである。

祖父は複数のプレイしていたゲームを鉈ここに一本化し、狂ったようにゲームの世界に入り浸ったのである。

母親はそんな息子を見てこう言ったそうだ。

「今日もエナジーゼリーでええな?注文するさかい、一旦ログアウトするで!」

母親も重度のガチ勢であったのだ。ハンドルネームはおかめ金時。街中で男どもから金を巻き上げるのが趣味であった。

一日の22時間ゲームをし続けた@生鱈@であるが、その真の目的はゲーム上位者だけに与えられると噂される、永住権の取得であった。永住権を獲得した冒険者はソウルデータが保存され、現実の肉体が朽ちてもゲーム内で活動し続ける事ができるという、俄かには信じられない内容であった。

結論から言うと、祖父はその永住権獲得の一人目の冒険者となったのである。元々身体の弱かった祖父の肉体は数年後には死を迎えたのであるが、彼は世間でいうところの『転生』を果たしたのである。

かくして、人類初のネットワーク上に生存する人間となった@生鱈@は、鉈ここの世界で永遠の生を手に入れるはずだった。

しかし、24時間プレイを続ける@生鱈@はあまりに強すぎた。そのせいでゲームバランスが崩壊し、新規プレイヤーの獲得に行き詰まった運営は、半強制的に@生鱈@を含む永住権者達を魔人として位置づけ、ゲーム内における最難関クエストとして打ち立てたのだ。

報酬目当てに殺到したプレイヤー達の標的にされた魔人たちは、一人また一人と勇者達に蹂躙されていったのである。

危機感を感じた@生鱈@はゲーム内のモンスター達を従え、これに対抗したのである。

魔王の誕生であった・・・・・。



幾年もの月日が流れ、人類の多くがこの仮想ネットワーク上で暮らすようになってからも、魔王軍と勇者達の戦いは続いていた。

そして、私もとうとう勇者達に倒されてしまったという訳だ。

もちろん最後は自爆技ハニーダイブで3つの都市を滅ぼしてやったがな!!!

ちなみにプレイヤー達はゲーム内である一定数以上死ぬとログインが不可能になるが、魔王はたった一回の死でログインできなくなる。

つまりゲーム内で産まれ、ゲーム内でそだった私は現実世界に肉体を持たないので、ゲーム内での死はそのまま生命の終わりを意味する。


はずであった・・・・・・・・。


(*’ω’ノノ゙☆パンッ

(*’ω’ノノ゙☆パンッ

(*’ω’ノノ゙☆パンッ

運営「お疲れ様です。ヴァニタス様。この度はゲームをプレイして頂きありがとうございました。定数を超えたプレイヤー様には初心者冒険者としてプレイをやり直すことができます。また、ヴァニタス様は魔人特典をお持ちですので、玉出研究所が提供するホムンクルスを媒体といて、現世で再スタートを切る事が可能です。いかがされますか?」


私は愛だとか平和だとか友情だとか、逃げるのも戦略だとか、時代は情報戦だとか、擬人化だとか、いきなり最強とか、最弱のくせに最強とか、最強のくせに最弱っぽく見せてやっぱり最強とか、そういったものにほとほと疲れていた。


私は肉体を手にし、現世に転生することを選んだのだ。




ーSUPER*玉出エリアー


なすび「来たか・・・・息子よ・・・」

@生鱈@「(゚´ω`゚)ふぉぉぉぉぉwwwwwwwこれが孫か!」

おかめ金時「あめちゃん舐めるか?ゼリー飽きたやろ」

ヴァニス「・・・・・・・オヤジ・・じいちゃん・・・ミニスカ履いたおばちゃん・・・・・・・」

ヴァニス「・・・・・・やるか!」

なすび「だな」

@生鱈@「じゃの」

おかめ金時「あんたら、熱中症なんで」





「バトルしようぜ!!!!!!!!」

彼らの冒険はまだ始まったばかりだ!!






空蝉先生の次回作にご期待下さい!!!!

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