introduction
「SSレート、サタン確保だ!おい!本部に連絡を回せ!」
夜明け前、昼よりも真青な空の下で、私は翼をもがれて血を流す。
「班長、こいつはもう声すら出せませんよ!やりました!!」
あーあ。
遂に捕まってしまった。
コイツらの言う通り、私は身を切り裂かれ、指一本と動かせない。
もうこれ以上、赫子を回復するためのエネルギーは残っていない。
逃げ始めた時から本当は分かっていた。自分が死に向かっていると。
食糧にするためのニンゲンを獲られなくなったのは、私の所属していた組織が内部崩壊をした事だった。密告者、共食い、喰種狩り、一般市民の危機感の高まり。お陰で珈琲で空腹を凌ぐこと七日間。最悪だ。
食糧を自分で得られない幼い仲間の代わりに、私は自慢の赫子を使ってきた。
何人と殺めた。生きるために。
ニンゲンだって、鶏や牛、豚、魚を殺して食物としているじゃあないか。
何故、私達はそれでは生きていけないのだろう。
何故、喰種だからと迫害されねばならないのだろう。
似た見目形をした動物を捕食するだけなのに……。
ああ、私に来世があるのなら、この煩わしさから解放されたい…………
*矢を放ち、汝らの夜明けを*