買い物ついでの定春の散歩へと新八と神楽がついてきた。火の車の家計を考えれば余計な買い物は避けたいと公園で時間を潰してろと言えばジト目でこちらに向ける二人。やっぱり心配なんで僕も一緒に行きますと新八もスーパーへ足を運ぶことになった。神楽は遊ぶ方がいいのか定春と公園に入って行きながら酢昆布忘れんなヨーと颯爽と姿を消た。スーパーへつけば新八が主婦さながらかごへと必要な食材をいれていく。今晩は野菜炒めでも食べましょうかと笑っていた。もちろんのことながら肉は入っていない。焼肉のタレでうまいよなーと思いながらイチゴ牛乳をかごへ2つ入れればお母さんの如く一つ棚へと戻していく。もちろん神楽の得意料理が出きるようにと卵は大量に購入しよう。買い物は終わり神楽を迎えに行けば神楽だけやって来て酢昆布を引ったくるように取り、早速と封を開けてしゃぶりついている。公園で少し休んでいきますかと中へと入っていく新八を追うようにまた神楽も公園に行ってしまうのだ。あーなんで、子供はこうなんだと思いながらも荷物が重いので自分も休もうと公園へと足を進める。日陰のベンチに座ろうと日陰のベンチを探せばそこにはもう先約がいたのが見える。その近くに定春も座っており気持ち良さそうに撫でられていた。新八はそいつが知り合いだったらしく小走りになり名前を呼んでいた。


「ひろさん、お久しぶりです!」


新八がそう呼べばこちらを向いたのだが、定春が動きまだ姿は見えない。


「新八くんお久しぶり」
「元気にしてましたか?最近見かけなくて神楽ちゃんと凄く心配してたんですよ!今日はお休みですか?」
「ありがとう。最近忙しくて。今日は午後から仕事じゃないんだけどちょっと用事があって」
「何かと物騒で真選組も大変そうですもんね」


何々、真選組の人なの?耳をすます。何処かで聞いたことがあるような声で言葉を紡ぐのは女なのは確かだ。定春がまた動き出すが今度は新八とかぶり顔がまた見えない事に少しだけやきもきしてしまう。そうだ、まだ紹介してなかったですよね。と新八が思い出したかのように振り返り僕の奉公先の万事屋の銀さんです。と紹介してくれたのでやっと顔を出して自己紹介をしてみる。


「どうも坂田銀時でーす」


新八の隣に並び挨拶しながら顔をやっと見れたかと思えば、死んだとばかり思っていた昔馴染みがとても大人びた姿で立っていた。お互い歳を取ったもんだと懐かしさが込み上げてくる。そしてひろと名を呼べば堰を切ったかのようにボロボロと涙を溢したのだ。え、ひろさん?大丈夫ですか?と慌てる新八をよそ目にゆっくりと間を詰めるようにお互い歩みより手を伸ばせば届く距離も近くに、と抱き止めた。ガシャリと買い物袋を持っていたのも忘れてもう何処にも行かないようと強く腕の中にし舞い込んだ。腕の中にいるひろは蚊の鳴くよう声で銀時と呟く。懐かしい声と匂いに俺の視界もぼやけていくような気がした。



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