公園で思いがけない再会を果たしたのだがそれから1週間が経っただろうか。今までに比べりゃそんなもんは大したもんでないのだろうが、外に出ればいつの間にか探してしまう自分がいた。


「旦那そんなキョロキョロしてどうしたんですかい?」


突然現れたのは総一郎くんだ。いつものふざけたアイマスクを頭につていてとなりへと腰を下ろす。おじさん、だんご三本と注文している。


「誰かさがしてるんですかぃ?」
「別にそんなわけじゃねぇよ」
「手伝いませすぜ?」
「いや、うち万事屋だから、そういうの得意だから大丈夫」
「探してるんじゃないですか」


こうもなんでこいつは察しがいいのだろうと頭を抱えた。


「あ、」
「ん、なんだよ」


団子を加えて何かを見つけたらしく、声を挙げた。


「うちの姐さんと新しい女中でさぁ」
「姐さん?新しい女中?」
「ほら、あそこにいるの」


串で指す先を見ればひろがいた。まだ新八とそんな変わりなさそうな女を連れて店を出てくるとこだ。


「姐さーん、こっち。甘味屋」


総一郎くんの声に気付いてかこちらを向く。俺に気付いてか一瞬驚いた顔をするが何もなかったかのようにこちらへと寄ってきた。


「挨拶周りですかぃ?」
「まぁ、そんなとこです。総悟くんはサボりですか?」
「まさかー。こうやって市中の安全を見守ってたんでさぁ」
「あんまり土方さんの仕事増やさないであげてくださいね。明後日まで近藤さん不在なんですから」
「なんですかぃ。姐さんもニコマヨ野郎の味方ですか?だったらはっきりした方がいいんじゃないですかぃ?」
「味方とかでは、」


まるで無視でいないものかのように会話が繰り広げられている。後ろでオロオロしている新人さんで何か言いたそうにしていた。


「後ろ何か言いたそうだけど」


そう言ってやればふたりの視線が後ろを向く。


「こ、恋仲の心中を察するのは至極当たり前だと思います!」


顔を真っ赤にしてそういう新人さんがうるうると総一郎くんに反論している。


「恋仲ってわけじゃ、」
「恋仲でもないのに夜な夜な逢い引きですかい?」
「やめてください。いつも一緒にいるみたいに」
「でもひろさん、ご婚約されたんですよね?」
「そんなの、誰から……」
「皆さんいってました!私はここ数日の二人しかみていませんがとてもお似合いだと思います!」
「でも断ったんですよねぇ?」


目を白黒させてどうしたらいいかと悩んでる様だった。


「断ったわけでは」
「ふーん、婚約者いるんだ?」
「だから別にそういうのじゃ、」


俺もガキだと思う。まるで自分の玩具が取られたかのように食って掛かってしまう。


「ひろてめぇー」


俺は今どんな顔をしているのだろう。


「旦那知り合いだったんですか」
「あ?ちょっと昔のな」
「ふーん。」
「総悟くん…」
「ほー、そういうことですか」


まるで新しい玩具を与えられたかのように彼の顔は輝く。はいはい、分かりましたぜ。姐さんもそろそろ戻りましょうか。そろそろ見回りの車が来るはずですぜという総一郎くんにひろは少し顔色を変えた。どうやら、平和ボケしているらしい。俺といた頃はそんな事とは程遠い世界だった。立ち去る3人をただ見つめるしかないのか、もう過ぎた時間は取り戻せばしないだろう。だったらまたそれを超える何かを作れば良い。再会を果たした時からもう、当に決まっていたのだ。


「ひろ」
「……」
「仕事いつ終わる。迎えにいく」
「旦那、11時に終わるはずですぜ」


あぁ、こいつは誰の味方なのだろう。きっとただ面白がっているのかもしれない。3人が去ったら後予告通りにパトカーが過ぎさっていった。










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