しばらくここに来てやれねぇが元気でやれよ。帰ってきたら大事な話があるから聞いてくれや。


あれから五年、銀時はまだ帰って来ない。万事屋の二人は気を使ってかちょくちょくと遊びに来てくれる。二人もだいぶ成長して戻って来ない銀時の変わりを争って後継者争いなんかやっているらしい。きっと銀時が知ったら争う価値もないと笑うんだろうな。


「母上ー!」


ガラリと戸が開いてバタバタと入ってきて抱きついてくるのは我が子の銀太郎だ。


「これ、あげます!」
「ありがとう」


頭をひとなでするとくすぐったいと笑う。


「おい、母ちゃん寝てんだろ」
「大丈夫ですよ。今日はいつもよりも体調がいいから」
「……そうか」


銀時が姿を消してすぐ発覚した懐妊。もちろん産む決断は容易ではなかった。でもあの人が残してくれた宝物だったから消すことなんてできなかったのだ。


「母上とかみのけが似てきたよー」
「そう、それはよかった」
「それとね、ボク、みんなにけんじゅつがが上手くなったってほめられたんだ!」
「そう、はやくみたいな」
「はやくよくなっておうちかえろう」
「そうね」


もう視力も大分落ちて視界はまるで白くなっていて形がなんとなくわかる程度だ。薬で生かされてるといっていいのかもしれない。


「ほら、銀太郎そろそろ帰るぞ」
「母上!またくるね!」
「うん、待ってるよ」


あの人に似た髪を撫でればまたくしゃりとくすぐったそうに笑う。


「土方さんありがとうございます」
「これくらいどうってことねぇよ」
「銀太郎のことよろしく頼みます」
「わかってるっつーの」


お前も頑張れと部屋を出ていってしまう。見えない天井をみつめる。目を閉じれば思い出すのは貴方の姿ばかりでせめて夢の中でと願うのにそれは現れてはくれなかった。


会いたいよ




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