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森の奥のほうに、とてつもなく大きな城が見える。あれは何なのかとトキヤに聞いてみた所、あの城こそが王女の住む場所だという。私も昔はそこを出入りしていたというのだから驚くしかない
「ここから歩いていくには時間がかかりますね...あの人を呼びましょう」
"あの人"とは誰のことだろうか。セシルがまた怪しげな呪文を唱えながら身体中に光を纏わせている。光の中から出てきたのはずっと探していた彼だった
「翔ちゃん...!!」
「なっ、何だよこの光はっ!!ってセシルお前か...!」
「翔、ワタシよりもアリスに何か一言ないのですか?」
「ア、アリス...?」
翔ちゃんはギクリとしたような顔をして私を見る。なんだその反応は...とムカムカしてつい怒ってしまう
「翔ちゃん!なんで逃げ回ったのよっ...ずっと追いかけてたのに!!」
「そ、それはお前が昔から...その...」
口ごもるような様子に音也が悪びれもなく言う
「そういえば翔、小さい頃アリスに泣かされてたよね〜」
「そうでしたね。あの頃の翔といえば毎日泣かされては日向さんにあやされていましたっけ」
「うむ、アリスはとても楽しそうだったがな」
まるでワタシがガキ大将のような言い振りに少し傷つく。今はそんなことないよ、と音也がフォローしてくれたけれど、誰もそれを聞いていないらしい
「翔、ここにいるアリスは昔の記憶がないようです、あなたのことを昔のように虐めてみれば思い出すかもしれませんね」
トキヤが意地悪そうな顔をして言う。あぁ、何だか懐かしいな...
え、どうして懐かしいの...
私は知っている?
この世界の何かを