お出かけ
典明くんと典くんにお着替えをして頂き、わたしたちはいざお買い物へと出発致しました。
お二人がどれだけの期間この世界にいらっしゃるのかは分かりませんが、ひとまず家の周りのことを少しずつ説明しながらのお出かけ。
「ここを真っ直ぐ進むとドラッグストアがありますが、今日は承太郎さんがいらっしゃるかもなのでスーパーに食糧を調達しに向かいます」
「そういえば赤髪の奴も言っていたが…その『承太郎』っていうのは何者なんです?」
お顔を隠すために帽子を被った典くんからの質問に、そういえば承太郎さんとは高校からの付き合いだと以前典明さんに聞いていたことを思い出しました。
「典明さんの親友さんです。高校からの付き合いと聞いているので…典明くんは承太郎さんをご存じなんですよね?」
「ええ。この世界に飛ばされる直前も一緒にいました」
「ふぅん。親友、ねぇ…」
「…承太郎も、僕らと同じ“視える”人間なんだ」
「…っ!おい、それ本当か…?!」
「こんなところで嘘をついてどうするのさ」
「…、そうか…それは、それが本当なら、」
「ああ、分かるよ。僕も同じ気持ちだった」
典明くんの言葉に典くんはとても驚いた顔をして、嬉しい気持ちを抑えるように口元を手で覆ってしまいました。
ああ、典明さんよりも典明くんよりも幼い典くんの、にっこり笑ったお顔が見られるチャンスだったのに…すごく残念です…!
でも、典明くんのとてもきれいな微笑はしっかりと見ることができました。
わたしも承太郎さんとは何度かお会いしたことがあって、典明さんが『親友』と断言するだけあるといいますか…本当に、お二人は仲がよろしいのです。
お二人と、それから何人かの仲間で大変な旅をされたと聞いていて、典明さんは、「あの旅がなかったら、多分今の僕は存在しないと思う」と言っていました。
「…なんだか、ちょっぴり妬けちゃいますね」
「え?どうかしましたか?」
「あっ、いえ!なんでもないですよ典明くん…!」
く、口に出ていました!危ないです!
危うく大人げない発言を聞かれてしまうところでした…!
「さて、それではスーパーにレッツゴーです!」
少し無理矢理だったかもしれないけれど、わたしは話題を逸らすように、お二人の手を引いてスーパーへと向かうのでした。
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