価値観


「えっと、典明…くん、コーヒーどうぞ」

「あ、すみません、ありがとうございます」

「いえいえ、どういたしまして」

「あの、一つ聞いてもいいですか」

「もちろん、いいですよ」

「貴女は視えないんですよね、幽波紋」

「うん、残念ながら」

「でも知ってるってことは、赤髪の僕が貴女に能力のことを教えたってこと、ですよね」

「うん」

「その…気持ち悪いとか、思わなかったですか」

「え、どうして?」

「どうしてって…だって、見えないものが視えたり使えたりなんて普通じゃあない」

「うーん、普通ってなんでしょうね」

「え、」

「だって、典明さんも典明くんも、それが普通だったんですよね」

「それはそう、ですけど、」

「普通なんていうのは人それぞれというか、ただの物差しだと思うんです。そりゃあ初めて教えてもらった時には驚きましたけど、気持ち悪いなんて思ったことはないですよ」

「そう、ですか…」

「はい!って、どうしたんですか典明くん!?な、泣いてるんですか?!」

「いえ、大丈夫…ありがとうございます」


ああ、もっと早くに出会いたかった。僕も、貴女のような人に。




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