価値観


「なぁ、なんでお前は彼女と結婚したんだ?」

「なんだい、藪から棒に。そりゃあ、彼女が好きで愛しているからに決まっているじゃあないか」

「僕にはそれが信じられないんだ。少なくとも僕は視えない人間と親密な関係になれるともなろうとも思っちゃいないんだから」

「ああ、まぁ…そうだね、分かるよ。でも、僕にもいろいろあったんだ。色んな出会いがあって、たくさんの経験をした。そのおかげで視えない人とも打ち解けられるようになったんだ。…価値観の変化ってやつさ」

「価値観…ね」

「いつか分かるさ。キミにも、きっと」

「ふっ、いいのか?そしたら僕がお前の嫁を奪うかもしれないぞ」

「ふざけるなよ。なまえは僕のだ」

「(これが花京院 典明だなんて、本当に信じられないな)」

少し羨ましいだなんて思うのは、きっとこの赤髪があまりにも幸せそうに笑うから。




- 2/68 -

前ページ/次ページ


一覧へ

トップページへ