財前くんと夢の話


◇名前変換なし。


「なー、ぜんざいくん」

「ドツキまわしますよ」

「ひどっ!先輩に向かってドツく言うたよこの子!」

「あーはいはい、うっさいっスわ」

「わたし、五時間目むっちゃ爆睡しとって、変な夢見てん」

「大丈夫か受験生」

「なんやきれーな草原にな、わたしと財前くんがおんねん。けど財前くんは寝てもうとる」

「はぁ」

「で、財前くん起きてーって起こすんやけど、財前くん全然起きてくれへんの」

「まぁ低血圧っスから」

「あんまし起きひんから、これはもうキスするしかないかなーって思ってん」

「はっ!?なんでやねん!」

「せやからキスしたろー思たら、チャイム鳴ってわたしが起きてしもた」

「…」

「ね、変な夢やろ〜?」

「変すぎや。意味わからん」

「だよねぇ」

「王子サマやろ。キスするんは」

「え?ああ、まぁ定番としてはそうやね」

「先輩、いつでも寝てもろて構いませんよ」

「え?」




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