億泰くんと形兆さんのお墓参り


◇名前変換なし。少ししんみり。


億泰をあの矢で射った時、正直俺はあいつがこのまま死ねばいいと。マジで半分くらいはそう思っていた。

あいつは馬鹿で、優柔不断で、お人好しで。
きっと俺のすることに間違いはないと思い込んで、言い聞かせて。
そのくせ見知らぬ奴の死体を見てはいっちょまえに罪悪感なんて抱きやがるんだろう。

そんなもの、あいつが背負う必要はねえんだ。

あいつが死んだら、俺が一人で全部背負えばいい。
その方が楽だ。

そう思っていたのによ。

「そんじゃ、また来るぜ、兄貴〜」

アホみたいに笑いながら墓石に手を振る億泰の隣で、女が一人頭を下げる。

あの女は全部知っているようだった。

幽波紋のこと。親父のこと。俺のこと…。

そのうえで、あいつの隣にいたいだのと俺に言ってきた。
…まぁ、言ったっつっても直接声に出してたわけじゃあねえがよ。

元々の目的だった、親父を殺せる…もしくは治せる幽波紋はまだ見つかっていないようだが…あいつは今、幸せそうに笑えている。
あいつの隣で、幸せそうに笑っている奴がいる。

お前が死んじまわなくて良かった。
俺はようやく、そう思えた。




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