ある日、シーザーの家で目覚めたら
◇前書きという名の注意。
由花子さんのとあるセリフをシーザーさんに変換したらこうなりました、という話。
エロくはないけどにおわせる描写があります。苦手な方はご注意ください。
朝、目が覚めて一瞬、見飽きてすらいる自宅の寝室とは違う景色に疑問符が浮かんだ。
けれど、すぐに「ああ、ここはシーザーの家だった」と思い出す。
それと同時に、鼻孔をくすぐるパンの焼けるいい匂いと、素肌に感じるシーツの感触。そして昨晩の行為の副作用ともいえる身体の痛みが脳に伝わってきた。
ベッドどころか部屋の中には自分しかいないのに、何故か恥ずかしくてシーツを手繰り寄せて上体を起こす。
すると、下に散らばっているかと思っていたブラウスがきれいに畳まれてサイドテーブルへ置かれているのが見えた。
しかも折り畳まれたブラウスの間にブラジャーが隠されているという丁寧な配慮つきだ。
これを他でもない彼がやったと思うと、なんだか余計と恥ずかしいじゃないか。
とりあえず上半身の衣服は整い、スカートについてもすぐにハンガーへかけられているのを発見できた。
しかし、である。
…下着が、ない。下着だけが見当たらない。
仕方なくスカートに脚を通してベッドの下や部屋の中を見て回るけれど、どこにも落ちていない。
そもそも、わたしの衣服をここまで丁寧に回収したシーザーが下着だけを見落とすだろうか。
いくらか迷った挙げ句、わたしが仕方なく寝室の扉を開けて顔を覗かせると、そこには丁度というタイミングで彼が立っていた。
「わっ、」
「お、っと…おはようなまえ!良かった、丁度起こしに来たところだったんだ。よく眠れたかい?」
「う、うん。おはようシーザー」
ちゅっ、と軽い口づけを頬に交わして挨拶をするけれど、下着を穿いていないわたしはどうにも落ち着かなくて、どうしてもスカートの裾から手が離せない。
「あのね、シーザー…もしかしたら変なこと聞くかもしれないけれど、えっと…わたしの下着、どこにあるか知ってたりするかな?」
「ああ!すまない、なまえの下着はまだ乾いていないんだ。本当にもう少しなんだが、」
「…えっ?」
思いもしなかったシーザーの答えに、わたしは首を傾げる。
いったいどういう状況なのだろうか、わたしの下着は…。
「汚れた下着に脚を通すのは不快だろうと思って洗濯したんだ。もちろん、傷まないよう丁寧に手洗いをしたから、安心してくれ」
わたしが首を傾げる姿に、シーザーは至極当たり前のように説明してくれた。
いつもの爽やかな顔で、低く心地良い声で。
わたしは目眩がして、頭を抱えたくなった。
「えぇと…ありがとう、気持ちはすごく嬉しい。…けど、そこまでしてもらうのは気が引けるというか、そんなことさせちゃって本当、ごめん」
「何を言うんだい、なまえ。愛している人のものなら誰だってどんなに汚れていようと平気だろう?それが、自分のせいともなれば当然のことさ。気にする方が変だ」
だからキミが気にすることなんてまったくないんだよ。
にっこりと眩しい笑顔で締めくくられ、わたしはついに頭を抱えた。
以降、衣服の一式を彼の家に置かせてもらうことにした。
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