花京院にフライングハロウィーン


◇生存院。平和な高校生。


「わりいごはいねぇがー」

「…えぇと…なにしてるんだい、なまえさん?」

「なまはげー」

「ああ、うん。確かになまげ…の、お面だね」

「そう。昔もらった親戚のお土産でね。ここを、こうすると…ほら。お口もカタカタ動く!」

「うん、質問を変えよう。なまえさんは何故そんなものを被っているのかな」

「ハロウィーンだから」

「…まだ31日じゃあないんだが」

「だって当日だと持ち物検査とかされるかもしれないからさ。やるなら今のうちじゃないと」

「フライングじゃないか。というか、なまはげっておばけだとか怪物のたぐいじゃないだろう」

「えぇ、鬼もおばけも同じじゃないの。細かいなぁ花京院は」

「いや、違うだろ。…そもそもなまはげは年末や年始にやるべき行事だろう?」

「そうなの?よく知らないけど、この格好してればご馳走が食べられると聞いて」

「なんて都合のいいところだけを抜粋した知識!…もうハロウィーンとか関係ないじゃないか」

「あるよー。仮装して悪魔的なにかを撃退する!鬼とかすごい強そうだからうってつけでしょ」

「合っているような合っていないような…。ともかく、ほら。飴をあげるからお引き取り願おうか」

「花京院せんせー、飴はご馳走のうちに入りますかァ?」

「キミはまずハロウィーンかなまはげかどっちかを選べ」




- 1/100 -

前ページ/次ページ


一覧へ

トップページへ