承子ちゃんがホームシック
◇
これの後日。
「…あっちに帰りたくねぇ…。ホームシックだ…」
「承子ちゃん、まだホームですよ?というか、今まさに承子ちゃんのご実家じゃあないですか」
「だいぶ慣れてきたと思ってたんだがな…。こうして直接会って、声を聞いて、触れて…そこからまたなまえのいない生活に戻ることを思うと、憂鬱でたまらねぇ」
「…でも、わたしは貴重な夏休みにこうして承子ちゃんが会いにきてくれたこと、すっごく嬉しいです」
「アタシも、会いにきたこと自体を後悔してるなんてこたぁねーよ。…ただ、なまえを向こうに連れて行きたい衝動がすげーだけだ…」
「そ、それはそれで困っちゃうんですが…。でも、わたしもだいぶ落ち着いたので、そろそろバイトでも始めようかと思ってるんです」
「バイト?」
「はい!そしてお金を貯めて、今度はわたしから承子ちゃんに会いに行くんです!」
「そうか…それなら接客業以外でな」
「え、接客業がダメとなると…結構キビシイと思うんですけど、」
「あー、あれだ。…造花とか作るやつあるだろ。ああいうのがいい」
「まさかの内職!?もー、それだけじゃアメリカへ行くまでのお金が貯まるまで、いったい何年かかるかわかりませんよ?」
「…っ」
「(承子ちゃんがもの凄く悩んでいる…!)」
「…とりあえず、」
「とりあえず…?」
「今はもっと充電させろ」
「わぁっ!承子ちゃん、わたしちょっと汗をかいてしまっているので…!」
「構わねぇ。むしろ、それがいい」
「わ、わたしは恥ずかしいです〜〜〜っ!」
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