▽2019/03/07(10:35)
「あなたのかみさまになれればよかったのに。そうしたらあなた、私を無辜の民だなんて思わなかったでしょう」って洩らす泣きしきった顔の春菊に馬鹿なことをいうな、お前を悪いとは思っていないと紅潮した頬を撫ぜてそのまま手放したのに2部にてかみさま(笑)になって戻ってきた春菊をみたカマンガーの反応。
「さてどう思いますかアーラシュさん。恋をする女の子って」
「強すぎないか」
「ははっ、本当にそう思う。でもよかったね、あのひとは立蝶じゃないよ」
「…」
「身体を依り代にできるほど性質が似ているんだ、俺もあの子の面影をみるよ。それでも内面はほとんど──に巣食われているから、立蝶じゃない」
「こんにちは、アーラシュ。目が眩むほど白い世界だね。地平線もみつからない」
「こんばんは、みたいだぜ」
「そうか。じゃあこんばんは。隣に来る?」
「来る。ところでアーチャー、もうひとりは」
「中にいるよ」
「中に」
「身体が脆すぎるから、下手に出てくると依り代が死んでしまう。あべこべなの」
「私はただの魔物に過ぎないから、本来ならサーヴァントになれるはずがない。この身体と彼女の神性があってようやく形ができあがるというのに、とうの彼女はあまりにも依り代が弱いから、私に人格も主導権も持たせてしまって、いつも寝ている。あいたかったの?」
「一応同郷でな」
「ああ…なるほど。人格はもしかしたら私のものではないのかもしれないけど」
「それは」
「似ているのでしょう。緩慢とした抑揚のない話し方が似ていると、マシュがいっていた」
「自分を信じられない?」
「信じようとも思わない。私は英雄譚の産物だから。後世に伝わったもので縛りあげているだけだ」
「悲観的だなああんた」
「ほら、人魚姫らしいでしょう」
「それは…可愛いな」
「ありがとう、私を可愛いといったのはあなたが初めて。お礼に彼女を起こせるように頑張ってみるね」
「…女神さんのほうであってるか?」
「…?依り代?どうして?あなたの知り合いはかみさまだけではなかったの。あなた、この身体を知っている?」
「いいや、知らない」
「…怪しいなあ。まあ別に構わないけれど。英雄のはらわたなんてみようとするものじゃないし。それでわたしたち、ひどい目にあった」
「個人的な疑問なんだが」
「うん?」
「お前さん達は、なんでわざわざうたっていたんだ?」
「かみがそうわたしたちをおつくりになられたからだよ。あなたもでしょう。女神の加護を受けて生きながらに死ぬことを余儀なくされた。母親の胎でおよいでいたときからそういうふうに決められて、できあがったの。あなたもそれに疑問なんて覚えなかったはず。恩寵を愛し従って、すべきことを成したのだから。そこにわたしたちとなんの違いがあるのかしら」
擬似鯖