サイレント

 ウエストを緩めたスカートの中に冷たい手がぬと、っと入ってくる。クーラーと生徒の寝息の音で静まり返っている図書室に、くちゅくちゅと粘液の音がした。私の口をふさぐ学ランから、勝生君のにおいがしてくらくらする。呼吸の音すら響かせられない、必死で小さく息をすると、体の中に熱いものと気持ちいいのがどんどん溜まっていって、苦しくなる。後ろから私の姿を隠している勝生君は、セーラーの上から私の胸を触った。どくどくどく、っと耳に響く私の鼓動。勝生君は私に何も言わず、ただ、添わせた指を立てて中に入れた。
 ひゅっと息を吸い込む。冷えた指先が、1本。ずるずるっと奥に入って、中をくにくにする。ああ、その後ろ、じゃなくて、前、前を押してほしい。いったん抜かれたと思ったらもう1本。多分人差し指。ぐぐっと広げられて中がひんやりする。あ、やだ、そんなに広げたら空気入っちゃう。思わず頭を下げると視界の隅っこに人の動きを感じた。誰か、この棚の向こうにいる……!
 思わず勝生君を振り返ると彼はにこっと笑う。気づいているよ、と言わんばかりにウインクをして、中に挿れている指を抜き差しし始めた。ずく、ずく、ぬちゅ、ぬちゅ。手を後ろから前に回し、前からまた挿れられる。抜くときはクリトリスまでなぞっていくから私は両手で書棚を握った。指先がわざと浅いところを、コリコリこする。じわっと気持ちよさがそこから後ろの方まで伝わってきて、あそこ全体が濡れて、背骨がとろけてきた。あぁ、立ってられない。
 足音は近づき、本の向こうに誰かの学ランが見える。学年も、名前も読み取れない。向こうからはセーラー服の後ろにぴったりくっついている学ランが見えているんだろう。私は袖を優しく噛んで息を殺した。ふっと耳元で笑う勝生君。くぽっ、抜かれた指がぬるぬるの粘液をまとってクリトリスを優しくなぞる。根元を摺り上げるように、先っぽの一番敏感なところを撫でるように。あっあ、やだ、こんな、ここでイっちゃうの、やだ。息を止めると逆効果だったみたいで、私の世界がもう、今、私を後ろから指先で弄ぶ勝生君しか感じられなくなる。目の前の学ランは本を見るふりをしてスマホをいじっているみたい。汗がにじむ。ずらされたショーツがしっとりするのがわかる。ダメ、う、ぁ、もう、イっちゃう……! 
 頭が割れそうなほどの興奮。呼吸を止めて、それでも漏れる小さな声。指を締め付けるそこが、ぐっしょり濡れているのがわかる。息を少しずつ整えると、勝生君の手はするっと抜かれた。私のそれがたくさんついた指先を見て、思わず口に含んでしまう。エッチなにおいがする2本の指。舌でその粘液をなめて、彼の少し硬い皮膚を味わう。触れる腰に硬いものを感じる。私も腰を揺らす。お尻の割れ目に沿わせるように。胸を触る手がセーラーの中に入ってきた。その手に触れる。もう一度振り向くと、勝生君はちょっと余裕がなさそうな顔をしていた。といれ、と口パクで伝える。
 駆け込んだ多目的トイレで、手すりにつかまって私はスカートを上げてショーツをずらした。勝生君はベルトを外し、チャックを下ろして、私の腰を抱えてそのまま後ろから挿れた。これが欲しかった、と締め付ける私の体。小さな声が出る。涙が出るほど気持ちがいい。遠くでトイレのドアが開く音がする。すぐ近くに誰かいる。ドキドキしてびくびくして、自分でそのちんこを出し入れする。勝生君は腰をつかんで、ずぷぷっと奥まで挿れた。奥をぐりぐり回してくる。揺さぶられる子宮をお腹いっぱいに感じる。それから、ばちゅばちゅ、ぎりぎりまで抜いて、お構いなしに、奥まで。こすられるし、タマも当たるし、それに、あ、ゴム、してたっけ? 
 あつい、かたい、ああ、わたし、セックスしてる。交尾してる。ナマ、いいよ、大丈夫だし、多分。もうそれより、この気持ちいいのから、ここから、引きずり降ろさないで。もう、めちゃくちゃにヤって。
 どんなに隠してもぬっぱぬっぱと粘液と肌の音がするし、この個室に吐息も、性のにおいも充満する。焦らすとかそんなのない。2人とも、セックスがしたくて、それしか考えてない。頭、体、全部。どちゅどちゅ突き上げられて、つま先立ちをした足は震える。子宮にたたきつけられる勃起したナマのちんこに、拒否する理由なんてない。あー、あぁ、イきそ、イく、イく、これ、やばい、やばいの、きちゃう……!
 息を止めて声を殺しているから、快感の逃げ道がなくて頭がスパークする、全身がガクガク震える。イってる間、奥に押し付けられたちんこがぴくぴくしている。出た? 勝生君は息を整えて、それからまた、どちゅん! と深く差した。さっきより深く勝生君を受け入れようとする私のからだ。あー、荒くなる呼吸が聞こえる。硬く腫れあがったちんこ、好き、イっていいよ。
 うっ、と勝生君は小さく呻いて、ずぽっとそれを抜いた。びゅるびゅるお尻にかけられる熱いもの。寂しいって、子宮も、あそこもパクパクしてる。あぁ、中出し、よかったのに……。精液が太ももを伝って靴下まで垂れる。勝生君は私の体をもう一度後ろから抱いて、首筋にキスして、それから個室を出て行った。指先で拭った精液は生臭く、甘くて少し苦かった。


END