クレープ・デート

 わざとエロく見えるように食べる女が嫌い。
 僕とセックスするために会っているようで。ちなみに残されるのも好きじゃない。
「食べるの難しい」
 笑いながらスプーンでアイスを掬い、こぼれないようにかじりながら、君はほぼ無言で食べた。
 その様子を真正面から見るのもおかしいので、スマホを触りながらちょいちょい確認する。僕が見ていないすきに口角につく生クリームやカスタードをその都度指先や舌で舐めて、紙を慎重に破って、君は黙々と食べている。
 アイスもなくなり紙を外して、残りわずかになった時。
「あっ」
「なに」
「ごめん、食べたかった? 最初1口あげたらよかったね」
 申し訳なさそうに君は聞いた。僕、そんな欲しそうに見えた? 思わず笑ってしまう。
「いらないよ。◯◯、ご飯の時から食べたいって言ってたじゃん」
「そっかぁ」
 じゃあもらう、と、クリームをこぼさないように1口でパクッと食べた。
「美味しかった」
「よかった」
「もう8時だから、やばいよね〜」
「この後運動するからいいでしょ」
「っ、もう」
 今日はもともとヤる気ではあったんだけど。そう囁いて腰を抱くと、さっきまでの純粋な笑顔にトロッと差し色が入る。エッチなお願い、なんでも聞いてくれそうな甘い匂いがする。

 キスをすると唇が甘い。他のところも全部甘い。
「甘い……」
「やっ、そんなとこ、舐めないでっ」
「気持ちよくない?」
「いや、その、やったことな、あぁ」
「やったぁ……気持ちよくなってくれるといいな」
「ひっ、あ、吸っちゃ、だめ、あうっ」
 太ももで頭を挟まれて、これ結局続けていいってことだよね? 舌先に触れる硬いものがだんだん熱を帯びて、楽しくなってくる。
「◯◯のここ、おいしい、甘いよ」
「そんなはずな、あっ」
「したかったんだぁ、これ。すっごくおいしそうにクレープ食べるから、僕もなんか、おいしいもの、食べたくなって」
「んんっ」
「今度さ、食べられるローションつけて舐めっこしよう」
「あ、あぁっ、ああ……♡」

 身悶える君がかわいくってもっと舐めたくなっちゃう。たまにはいいよね? こういうデート。


END