私はただの一般人、廻神理玖!幼なじみで同級生のオタ友と遊園地に遊びに行ってもないし、黒ずくめの男の怪しげな取引現場も目撃してもないけど、なんかよくわかんないうちに目が覚めたら体が縮んでしまっていた!しかも何だこのサイズ!赤ん坊か?!口を開けば言葉にならないあうあう語!もしかしたら私は知らんうちに死んだらしい!ちょっと待てや、なんで死んでんねん!なんて自分自身にツッコミを入れてみた。初めは夢かと思ったけど、困った事にかれこれ1ヶ月はこの状態だ。だから現実だろう。それと、なんか変なの見えるんだよね。まるで乙女ゲームかな?って感じのコマンド。右上に【呪力:10】の文字。しかも私にしか見えていないっぽい。呪力ってあの呪力?最近ドハマリしてる呪術廻戦って漫画にそんな言葉出て来るんだけど、これもしかして私はなんかとんでもない事になってない?あれかな、転生トリップ的な?マ?マママのマ?強くてニューゲーム的な?呪力持ってるって事はいずれ高専に通っちゃったりしちゃったりなんかしちゃう系?それとも非術師?でも呪力あるなら素質あるよね?!これ、ヤバいんじゃね?!オタが捗るヤツじゃね?なんだオタが捗るって。
「理玖、今日は大人しいわね?オムツは大丈夫?」
あ、この人は私のお母さんらしい。廻神理玖は私の昔…というか、なんというか、この世界に来る前の私の名前と同じだった。お母さんの頭上には100%と書かれたハートマークが浮いている。あとお父さんとかおじいちゃんおばあちゃんらしい人の頭上にも100%って書いてあった。これあれかな、乙女ゲーム的な感じでいう好感度的な?なにそれ、おもろ。それと、私の視界の左側には【セレクト】という文字も見える。よく分からんが何か選択する事が出来るんだろうな。試しにやってみるか。…どうやって?とりあえず頭の中で【セレクト】を選択するイメージをした。ピコン、と音がして、私の視界に表れた文字。
【あらすじを確認して設定を完了させてください。設定は一度完了すると変更できません。】
【1.あらすじ 2.設定】
…え、出来た。とりあえず、あらすじ見てみるか。頭の中で1のあらすじを選択する。
【あなたは前世の記憶を持ったまま転生しました。あなたが選択した通りに物語が進みます。あなたが望む未来を選択して、物語を攻略しよう!好感度はあなたの選択で変動します。好きなキャラクターを攻略しよう!】
…うん、乙女ゲームかな?これもしかしてあれか?私の術式的な?特殊能力的な?ひとまずあらすじ画面を閉じるイメージをして、設定を選択してみる。
【あなたの名前を変更しますか?選択してください。変更しない場合のあなたの名前は、廻神理玖です。】
【1.変更する 2.変更しない】
変更しない!
【年齢を選択できます。選択した年齢までスキップできます。スキップをすると記憶なども経験したものとして時間が進みます。】
え、年齢?えー、どうしよう、何歳にするか迷うなぁ…。マジで呪術の世界だったらやっぱりある程度強くなっておきたいよね。とりあえず…小1くらいから鍛えていく的な感じにするか?よし、年齢は…6歳。
【あなたの年齢を“6歳”に設定します。今後、設定の変更はできません。6歳のあなたまでスキップします。】
気付けば私は白い空間にいた。何だこれアサシンのアニムスのロード画面か?なんて思いながら視界がクリアになると、私は見知らぬ教室にいた。
「転校生の廻神理玖ちゃんです。皆、仲良くしてくださいねー!」
「「「はーい!」」」
はい、私転校生でした!担任教師と思われる女の人が私に優しく微笑みかける。おーい、先生、私への好感度3%ってどういうことよ。まあ知らん奴にいきなり好感度100%な奴いてもドン引くけども。
「はい、廻神さん、挨拶できますか?」
「舐めんな、出来るわ。」
「え?」
やっべぇ、素が出ちゃった。ワタシイマ6サイ。
「いいえ、何でもないです。廻神理玖です。好きに呼んでください。よろしく。」
「はい、じゃあ、空いてる席に座ってください。」
「はーい。」
ぐるっと教室を見渡すと、一人目立つ髪色の人物を見つけた。あの白髪…マジ?しかも席隣!?ゆっくりと空いた席に歩いて行く。私をじっと見つめる蒼色の鋭い瞳。白くきらめく白髪。そして何より、
「こっち見てんじゃねーよ、殺すぞザコ。」
「まじか!ショタ五条か!うわー!本物!?」
「オマエ…俺のこと知ってるのか。」
「あ、いや、ごめん、名札見ただけ。」
まじか、ショタ五条がクラスメイト、しかも席が隣とか、とんだ大吉…いや、これもしかしたら大凶かもしれない。私殺されない?大丈夫?
「オマエ、後で話あるから休み時間俺について来い。」
「え、いきなり?告白なら大歓迎だけど?」
「ハァ?誰がオマエの事好きになるかよ、ブス。鏡見て出直せよ。」
君、本当に小1?なんて、いつかの五条悟の台詞が頭に浮かんだ。すまんなショタ五条、こう見えて私前世は成人してるんだわ。君のショタ時代の可愛さと生意気さを前に理性を保っていられるかゲフンゲフン。そしてショタ五条の頭上には-100%と書かれた好感度。最初からクライマックスだぜ!
「なに笑ってんだよ、キッショ。」
「いや、ちょっとね、ンフフ、」
ああ、うん、こりゃオタが捗るわ。…だからオタが捗るってなんぞ。