理玖さんは俺の初恋だった。…いや、今も初恋だ。物心ついた頃から、俺の生活の中にはいつも理玖さんがいた。理玖さんとの出会いは親父がキッカケではあったけど、今はそのキッカケに感謝してる部分もある。本当の母親のことを覚えていない俺にとって、理玖さんは母親代わりで、姉代わりで、そして…、
「理玖さん…っ、」
グループLIMEに届いたメッセージを見た時、今までの人生で1番と言っていいほど悔しさと不甲斐なさを感じた。俺と一緒に理玖さんを探してた津美紀も残念そうにしていた。津美紀は理玖さんを捕まえたら、「理玖ちゃん、ずっと忙しそうだったし…1日でもいいから仕事を休んでゆっくり過ごして欲しいかな」って言っていたから、津美紀が理玖さんを捕まえられたらと思っていた。俺は俺で、理玖さんの特別になりたいとか、そういうことは考えた。けど、それはズルいだろって思って、理玖さんの1日を俺にくださいって言うつもりだった。その1日で少しでも理玖さんに俺を1人の男として意識して欲しい…。けど、それは叶わなかった。五条先生のことだ…、術式なし、オマケに呪符で理玖さんの呪力を掻き消していたとしても、その呪符に宿った五条先生の呪力を辿れば理玖さんを探せる。…ズル、してるだろうな。今更それを責めたところで、手錠は既に条件付きで理玖さんの手に嵌められてしまった…。条件はなんとしても満たさなければ、あの手錠は外れない。
「ああぁッ♡もおらめぇえっ♡イぐっ♡イぐぅうッ♡〜〜ッ♡」
「理玖〜、これでイくの何回目かな〜?」
「んあっ、わかんなッ♡わがんないッ♡」
「条件満たすまでに100回はイくんじゃない?」
五条先生は俺たちに理玖さんと繋がってる様子を見せつけてきやがる。これがすげぇイラつく。理玖さんの手錠が外れたら、五条先生をぶん殴ってやりたい。どうせ無限で防がれるだろうが…。見せつけられていた理玖さんのソコから、勢いよく噴き出した飛沫。マジで何回潮噴かせるつもりだよ、脱水症状になっちまうだろうが…!五条先生のことだから、俺たちに理玖さんとの行為を見せつけることを優先してるハズ…。理玖さんのことを大事だと思ってんなら、理玖さんを気遣うくらいしろっての…!俺だったらああするのに、こうするのにって考えが絶えず浮かんでは、今理玖さんを抱いているのが自分じゃないことが悔しくて歯痒くて…無性に腹が立つ。そりゃ、五条先生は現代最強を謳われるくらいの呪術師だ。俺たちに出来ないことはなんでも出来ちまうし、最強と言われるほどの実力もある。だから仕方ねぇって割り切れるほど、俺は大人じゃない。クソ…、早く終わってくれ。
「あっ、はっ、あうっ♡うっ♡」
「ほらほら理玖、頑張って〜♡」
「んもっ、むいッ♡じぬッ♡おわっでぇッ♡」
「今ここで終わったら条件満たせるまで手錠外れないけど、良いの?僕は別にいいけど♡外れるまで理玖のこと抱き放題だし♡」
「んやッあッ♡やらあッ♡はじゅしてえっ♡」
理玖さんは涙を流しながらそう言った。理玖さんも手錠が外れることを望んでいる。だが、手錠が外れる条件が俺たちの予想通りかどうかも分からない。五条先生のことだ、俺たちにどこかでブラフを張っている可能性だってある。怒りで我を忘れるな…こういう時こそ冷静に考えろ…。七海さんが言っていた通り、特定の誰かに見られていると、もしくは特定の誰かに見られていないと、手錠が外れない可能性もないとは言い切れない。他にも条件が付いているとすれば…、理玖さんが五条先生を選ぶまで外れない…、これもあり得る。理玖さんは特定の誰かを作るつもりはない。それは散々本人の口から聞いてきた。術式が関係しているから特定の誰かを選ぶことはできない、確かにそう言っていた。もし五条先生が理玖さんの術式に関係するなにかしらを無視して、理玖さんに自分を選ばせようとしていたとすれば…?……あり得るのか?理玖さんの術式が使えなくなったら、俺たち高専側にとってなにかしら困ることが出てくるハズだし、理玖さんしか請け負うことができない任務だってある。それを承知の上で自分を選ばせるなんてことは……、いや、ないか…。ないハズだ…。
「あっ、あッん、はっ、あっ♡」
「あれ?トんじゃった?」
理玖さんは涙を流しながら、揺れに合わせてだらしなく声を漏らすだけになった。何度もイかされて意識が朦朧としているらしい。五条先生はそんな理玖さんの顎を掴んで、後ろからキスをした。くぐもった声を漏らす理玖さんに、もうやめてくれと思うのに、やめたらやめたで手錠は外れない。早く終われ、そう願うことしかできないもどかしさにまた腹が立ってきた。五条先生は理玖さんの右足を持ち上げたまま、敏感なその蕾を指で擦り始めた。悲鳴にも似た声を上げてガクガクと震える理玖さんに、イヤでも熱くなった下腹部が疼く。クソ…、
「らめええっ!ほん゛とにらめッ!しんじゃうッ♡じぬッ♡ひぐっ、ううぅ〜〜ッ♡」
「死ぬほど僕とのセックスが好きって?僕も理玖とのセックス死ぬほど大好きだよ♡」
「ちがっ、あ゛ッ♡」
「違う?嘘吐くなよ。」
「ひうッ♡うゔッ♡はっ、あ゛う〜〜ッ♡」
「ハメ潮噴きまくってるくせに、」
「ごめんなしゃッ♡まらイ゛ぐッ♡イぐぅッ♡」
「イくの我慢できたらやめてあげてもいいけど?」
「ん゛ゔッ♡あ゛ッ♡む゛いっ♡イ゛ぐッ♡イ゛ッうぅああッ♡」
「あ〜あ、またイっちゃった♡」
理玖さんの割れ目から噴き出した飛沫がシーツを濡らす。すっかり色の変わったシーツ。五条先生が吐き出した泡立った白濁がシーツに垂れている。クソ、やっぱりムカついてきた。早く終われと願うことしかできないこの状況に、俺だけじゃなくて全員がイラついているのがヒシヒシと伝わる。殺気が駄々洩れな夏油先生と親父と乙骨先輩、隣からは虎杖と狗巻先輩、後ろからは七海さん…。灰原さんは正直なに考えてるか分からねぇけど、いい気分ではないだろ…。
「五条さん、それ以上は理玖さんが気絶しちゃいそうですし、ちょっと休憩しませんか?」
「「「「「「は?」」」」」「ツナ?」
背後から聞こえた灰原さんの提案に、俺たちはサッと灰原さんに視線を向けた。灰原さんはケロッとした顔で「あれ?僕変なこと言ったかな?」と言って頬を掻いている。いや、言ってるだろ。
「ハハッ、ウケるね灰原。他の皆は早く終われって思ってるだろうに、」
「あー、僕は正直、理玖さんとそういう関係になったことないので、皆ほど嫉妬してないと言いますか…。」
「へぇ、理玖は灰原には手を出さなかったんだ。」
「そういう目で見られてなかったんですかね?悲しいですけど、僕は理玖さんのこと好きですよ!」
「だってよ、理玖、」
「はっ、ぁ、はッ、はあッ、ゲホッ、」
「でも、僕がもし皆みたいに理玖さんとヤったことあったら、うーん、流石にショックは受けてますね…。自分は正々堂々と理玖さんに気持ちを伝えて、フラれたらそれで諦めるつもりだったんで!」
なんだこの人、善人過ぎねぇか…?
「灰原…、君は理玖さんと関係を持たなくて正解です。」
「え?七海、どうして?」
「……私は君の腹黒さを知っています。諦めるつもりなど毛頭ないでしょう。」
「……ははっ、七海にはバレてたか〜!」
「…つまり、灰原さんってどういうこと?」
「虎杖君、彼をただの善人だと思わない方がいい。こう見えて学生時代、灰原は純粋なフリをして理玖さ「七海、それ以上は内緒だよ!」……フーッ、」
あの七海さんが、灰原さんの一言で口を噤んだ…?七海さんは灰原さんのなにを知ってるんだよ…。灰原さんはいつもみたいな屈託のない笑顔で俺たちを見た。
「好きな人が被るって、大変ですよね!でも僕は、五条さんみたいにズルはしたくないですし、」
「いやズルしてな「夏油さんみたいに勝手に理玖さんの部屋漁ったりしないですし、」
「灰原?」
「伏黒さんみたいに無理矢理抱くようなこともしませんし、」
「……。」
「乙骨君みたいに愛するあまり呪うようなこともしたくないですし、」
「そ、それは…、」
「虎杖君に至ってはキャラ被ってるからなぁ…。僕の方が先に理玖さんの犬になれたのに…、」
「え…、キャラ?犬ってなんのこと?」
「伏黒君は誠実そうに見えて意外と欲深いよね…。」
「欲深い…ですか…、」
「狗巻君も理玖さんに可愛がられてるけど、最初に理玖さんに可愛いって言われたのは僕なの忘れないでね!」
「お、おかかぁ…、」
「七海も七海で、理玖さんのこと諦めようとか思わずにちゃんと気持ち伝えたら?」
「……、」
「あ、あの〜、灰原君?どうしちゃったのかな?」
あの五条先生が冷や汗を掻いている。理玖さんもはあはあと荒い呼吸を繰り返しつつも、灰原さんを見て困惑した顔をしていた。
「そういうわけで、理玖さん!」
「はっ、はあッ、はぃ…?」
「僕は理玖さんのことずっと好きでした!今も好きです!僕を選んでください!」
「へ、えぇ…?いまぁ…?」
「今です!」
「灰原…、」
「む、むりっ、えらべないから…っ、」
「う〜ん、じゃあいつなら選べるようになるんですか?」
「そ、それは…、わたしにも、わかんない…っ、」
「じゃあ今度僕とデートしてください!」
灰原さんはそう言って、いつもみたいな屈託のない笑みを浮かべる。理玖さんはそれを見て鳩が豆鉄砲を食ったような顔をした。
「え、えと…、それくらい、なら…、」
「ヤッター!絶対ですからね!」
「う、うん、」
「…なーんか、萎えちゃったんだけど…。理玖は条件クリアできなくていいの?」
「んっ、あぁッ!」
「理玖さん、少しは休めました?」
「えぁっ、あっ、うんぅ、」
「じゃ、最後まで頑張ってください!」
「へっ?!えっあ、ちょっ、あぁッ♡」
「…鬼かよ。」
俺のツッコミに、灰原さんはまた眩しい笑顔で頷いた。いや、頷くな。マジで灰原さんがなに考えてるのか分かんねぇ…。