禪院直哉の憂鬱


俺の名前は禪院直哉。この物語の主人公や。(※違います。)今、俺の憧れとる甚爾君が東京にいるんやって。なんで急に東京に行ったん?俺の憧れ、大好きな甚爾君。俺に稽古つけてくれへんかな!はよ帰ってきてや。…せや、待ってるだけじゃつまらん。俺が甚爾君探して連れ戻したろ!そうと決まればまずは東京の何処にいるか探さな。…探偵でも雇うか。俺は父ちゃんの酒コレクションを売った。自分の小遣いは使いとうない。賢く生きなあかん。甚爾君は2ヶ月くらい掛かってようやっと見つかった。長かった。なんや神の子とかいう女と良く会っとるらしい。なんや神の子って、舐めとんか。殺したろか。

「父ちゃん、俺甚爾君に会いに東京行ってくるわ。」
「…アホか。」
「甚爾君にはよ帰ってきて貰うねん!行ってくる!」

東京まで車で行った。まずは神の子とかいう女の家に向かう。事情聴取いうやつや。甚爾君との関係を聞き出して、俺の甚爾君を返せって言う!

「はい、あら?どちら様?」

インターホン押して出てきた女。…コイツが母親か。

「神の子おる?話あんねんけど。」
「あら、理玖のお友達?なわけないわね、どこの子かしら?お名前は?」
「禪院直哉。はよ理玖とかいうん出しや。」
「あら、あなたも禪院家の?ちょっと待っててね。理玖ー?ちょっと来てちょうだい!」
「なにー?」

2階から聞こえた鈴みたいな声。俺は騙されんぞ。声が可愛いだけでどうせ顔はかわいない。階段を駆け下りてきた白いワンピースの女。え、天使…?ハッ!!べべべ別にかかかかわいない!!きっと甚爾君は騙されてるんや!間違いない!アイツは天使の皮被った悪魔や!絶対俺は騙されへんからな!

「この子が理玖に話があるそうよ。知り合い?」
「…え、いや、どちら様ですか…?」
「禪院直哉や。お前が廻神理玖やな?ちょお顔貸せ。」
「…は?」

ここは俺の強さと威厳をアピールせな。女を睨みつけてやった。フン、どうや、恐れおののいたやろ!

「ちなみに拒否権は?」
「あるわけないやろそんなん。ええからはよ来いや。」
「お母さん、ちょっと出てくるね。すぐ帰るから。」
「携帯持って行きなさい。」
「あ、そうでした。ちょっと待ってて直哉君、すぐ戻るから。」
「はよしい。」

階段を再び駆け上がる女を睨みつける。…あ、パンツ見え…っ違くて!しっかりしろ俺!まずはオマエの化けの皮を剝いだるからな!女が荷物を持って下りてくると、家の前に停めとった車のドアを開けた。

「乗れ。」
「なんでそんな上から目線?君歳いくつ?」
「そんなん今関係ないやろ。ええからはよ乗れや。」
「はいはい、分かりましたよっと。お願いしまーす!」

女を乗せて、俺も車に乗る。女乗せたら適当に走れって指示出しとったからな。さて、ここからが本題や。男、禪院直哉の怖さを教えたる。

「オマエ、神の子とか言われとるそうやん。」
「あーらしいね。それが?」
「甚爾君とどういう関係や。」
「は?甚爾様?」
「オマエみたいなんが甚爾君の名前気安く呼ぶな!」

俺は運転席の座席を蹴った。どうや、ビビったやろ!んでもってなんや甚爾様って!!俺かて甚爾君って呼んでるけど、本当は、

「ちょっと、運転手さんがびっくりしてるじゃん!止めなよ!」
「ええからどういう関係なんか言え!」
「どうって…本人に聞けばよくない?」

こ、コイツ…!俺が下手に出てたら調子に乗りやがって!(※出てません。)

「…それが聞けんからわざわざこっちから探偵つこうてまで調べて来てんねん!」
「え、なんで聞けないの?連絡先知らない?教えてあげようか?てか探偵使って私の家に来るくらいなら本人に直接会いに行けばいいじゃん!?」
「ぐ…っ!」

し、しもた、探偵使ったことばらしてもた…!けど俺は本人に会えんからオマエに聞きに来たんや!!しかもなんでオマエは連絡先知ってんねん!?

「…どうしてもって言うんなら聞いとく。」
「あ、いやならいいよ。」
「なんでや!教えろ!」

俺の甚爾君を返せ!オマエに騙されて甚爾君は帰って来んのや!でもって甚爾君の連絡先も教えろ!!

「あ、知りたいんだ?いいけど、甚爾様に聞いてみないとねー。」
「そ、それはあかん!」
「はぁ?なに君、めんどくさいな!?…もしかして、甚爾様のストーカー…?あ、ナルホド、だからこっちに来てること内緒なんだ?」
「ストーカー…?ちゃ、ちゃうわ!」

そや、俺はストーカーなんて野暮なことはしいひん。俺は甚爾君への愛でここまで来た。すべてはそう、俺の愛の力!(※探偵の力です。)…なんやコイツ携帯触って…まさか?!

「もしもし甚爾様?」
「ちょ、おま、なにしてん!?」
「今甚爾様にどうしても会いたいって人と一緒にいるんですけど、会えませんか?」

と、甚爾君に電話かけよった…!

「えっと、禪院直哉君って子です。甚爾様にどうしても会いたくて家に訪ねてきました。」

アホ!俺の名前出すな!ていうか俺に代われ!!

「はーい!甚爾様、今日も大好きです!」

…なんやとおおおお!?俺の方が甚爾君大好きや!!!やっぱりコイツは甚爾君を誑かして…!!

「おま…、オマエホンマ…甚爾君とどういう関係や…。なんや今の…、喧嘩売っとんか?」
「え、いつもの事だけど?甚爾様は私の命の恩人なんだもーん。あ、運転手さん、来た道戻ってもらっていいですか?うちの近くの公園に行きたいんですけど!」
「分かりました。」

車は公園についた。女が降りた後について行く。ベンチに座った女から離れて座った。俺はオマエを認めてない。

「理玖。」

こ、この声は…!待ちに待った甚爾君や…!女が甚爾君に駆け寄って…あ゛!?だだ、抱きつ…!?俺かて甚爾君に抱っこしてもろうた事ないのに!!!…ハ!と、甚爾君が俺のこと見てる!俺や、俺やで甚爾君、直哉や!

「直哉君、甚爾様にお礼言いなさい!」
「オマエに言われんくともそのつもりや!…と、甚爾君!」
「…誰だっけ。」
「え、」

ダレダッケ…ダレダッケ…ダレダッケ…ダレダッケ…ダレダッケ…ダレダッケ…(エコー)

「あー…そうだったそうだった、思い出した。直毘人んとこのガキか。…で、何しに来た。」

ハ…ッ!今一瞬意識がどっか行きよった…!甚爾君、やっぱり俺の事覚えてたんや…!嬉しい…!

「お、俺…、甚爾君が…、甚爾君がどっか行ったって聞いて探してたんや。甚爾君めっちゃ強いから、俺も甚爾くんみたいになりたい!」
「…帰れ。俺も忙しいんだよ。」
「残念だったね、直哉君。」
「…っ、」

クソ…なんでや、なんで帰って来てくれへんのや…!悔しい…!これもやっぱりあの女が…!

「直哉君、また東京に来たら電話して?私の電話番号、書いておくから。あ、ちゃんとメモしたら消してね?」
「…うん。」

笑うなら笑え…。俺は甚爾君に会えただけでもう満足や…。もうええ…。あ、でも番号は聞いといたる…。女が俺の足元に木の枝で携帯の番号を書いた。…そっか、この女について行けば、俺も甚爾君に会えるんや…!コイツはきっとそれを狙って俺に番号を…!…俺は勘違いしとった…。天使の皮を被った悪魔なんかやない…!コイツは…正真正銘天使や…!

「…オマエ、理玖やっけ…。…ええやつやな。」

正直甚爾君に会えると思わんやったけど、一目でも会えた…。理玖には感謝やな。…せや、コイツを俺の女にしたら、甚爾君も俺のこと見てくれんとちゃう?ええ案浮かんだな!流石俺、天才や…!

「決めた!理玖、お前俺の女にしたる!」
「だが断る。」
「なんでや!」

お前がおれば、甚爾君は俺にも会ってくれるはず…!頼む…!

「だって直哉君私じゃなくて甚爾様が大好きなんでしょ?私の事好きじゃないなら、直哉君とは遊びませーん!じゃーね!」

そ、そんな…!

「ま、待って、す、好きやぁあ!甚爾君も理玖も好きやからあああああ!うわああああん!!俺も一緒に連れてってええええ!!」

行かんといてやあああ!!!ベンチの上でだだを捏ねた俺に見向きもせずに2人は公園を去って行った。…なんでや…甚爾君…。…ハ!決めた!俺は決めた…!理玖を俺の嫁にする!そしたら甚爾君も帰って来てくれる!そうと決まれば…!足元に書かれた携帯番号を暗記した。言われた通りちゃんと消したったし、感謝しい!

「俺が言う番号メモれ!」
「は、はい!」

車に戻って運転手に番号をメモらせる。よし、あとは理玖の後をつけんねん。我ながらええ案浮かんだ!

「…待てよ、後つけてんの甚爾君にバレたら…、」

バレたらあかん…!きっと俺は甚爾君に殺される…!さっき理玖が俺の頭撫でてくれた時、甚爾君めっちゃ怒っとった!やからバレたら多分俺の命はない…!どうする…考えろ…。…あの公園、理玖の家の近くやったし、公園で待ってたら戻って来るんちゃうか?そうと決まればや!俺は根気よく待った。

「…来た!」

理玖と甚爾君が戻って来た。ベンチに座った2人を車の中から観察する。…な、なんやと…!

「ちゅ、ちゅーしてる…!」

なんであの2人がちゅーして…!!俺はなんだか見ちゃいかんものを見てる気がする…!そ、それよか、なんやこの心臓のトキメキ…!

「…え…、何あの2人…かわいない…?え、どういうことや…!?」

こ、これは…!

(☆禪院直哉、目覚める!!)



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